なんかのプロジェクトM

なんのプロジェクトかは不明です。 そして「M」はムラムラの略です。 年中ムラムラ。

ようこそいらっしゃいました。

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映画レビュー界のスラム街と言われる、しがない超個人的映画レビュー兼データベースブログです。

基本的にネタバレ無し、「無知識無教養も恐れず感じたことを正直に書く」ことを信条にしております。

たまに毒を吐きます。

細々と続けながら、ようやく500本を突破しました。

これからもマイペースに増やして行きます。



しょっちゅう映画を観てる人も、たまにしか映画を観ない人でも、

ホンの少しでも参考になれば、この上なく嬉しいです。

コメント・トラックバックも大歓迎。お気軽にドウゾ。






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映画レビュー663 『リンカーン弁護士』


この日は大量に配信終了の映画があり、急いで1本でも…と定時に帰って選んだ映画がこちらの映画でした。

が、無事配信期間延長となりました。

往々にしてよくあります。きっかけなので良いんです。



リンカーン弁護士
The Lincoln Lawyer
監督ブラッド・ファーマン
脚本ジョン・ロマーノ
原作マイクル・コナリー
『リンカーン弁護士』
出演マシュー・マコノヒー
マリサ・トメイ
ライアン・フィリップ
ウィリアム・H・メイシー
ジョシュ・ルーカス
音楽クリフ・マルティネス
製作国アメリカ
公開2011年3月18日 アメリカ
上映時間119分
リンカーン弁護士












【あらすじ】

時に詐欺まがいのやり口で金を稼ぐ、悪徳刑事弁護士のミック。

彼に「金になる仕事」として、ある資産家の息子の暴行・強姦容疑の弁護の仕事が舞い込む。

無罪を主張する依頼人だが、調べていくうちにいろいろと怪しい証拠が出て来る上に、

かつて自分が同様に無罪を主張する被告に対し、司法取引のために有罪を認めさせた事件の手口と似ていることに気付く。



【総評】★★★★★★★☆☆☆(★7)


面白いんだけど…気持ちよさ薄め。


てっきり「リンカーンのように高潔な弁護士のお話」なんだと思ってましたが全然違い、

この「リンカーン」は車のリンカーンのことでした。高級車です。

この車の後部座席を事務所代わりに色々悪いこともしつつ金を稼ぐ弁護士・ミックが主人公の

シリーズ物の小説が元になっている映画だそうです。



この主人公の弁護士・ミックがなかなか映画的には珍しいタイプの弁護士で、

自分が良識派であるというフリすら見せずに、端から見てもアウトロー丸出しのちょいワル弁護士という御仁。

それだけに、「無実の人を苦しめたらいけない!」とか「弁護してようが犯人なら罪を贖わせなければ!」みたいな

暑苦しいことも言わない、ある意味とても現実的でリアルな弁護士という感じで、そこがまず良いなと。



序盤は彼の人となり、その「ちょいワル」な部分の説明シーンに始まり、やがて本編となる事件のお話に。

お決まりのように無罪を主張する被告と、その弁護をしつつ真相に迫っていく主人公…という構図なんですが、

ここがメインのお話ではないので書いちゃうと、実は割と早い段階でこの被告がどうやら犯人らしいことがわかります。

おまけに、その犯行もどうも過去に自分が関わった事件とも関係がありそうだ…ということで、

自分の中の正義と仕事の間で板挟みになりつつもプロフェッショナルとして仕事を遂行し、

その過去の事件とのけじめをどうつけるのか、今目の前に現れたこの男と自分の因縁をどう決着するのか…という、

なかなか深い、立体的な犯罪ドラマで面白かったです。



特に中盤は、主人公ミックが「ほぼコイツの犯行に違いない」と気付いたことを察知した依頼人に脅しをかけられ、

お互い腹を探りつつ敵対しながらも裁判では協力し、弁護している…という相反する関係性がギリギリの緊張感を醸し出していて、

先の読めなさと相まってとても惹きつけられるお話でした。

そこにさらに別の事件に人間関係も絡みながら、はてさてどんな落とし前が待っているのか…的な映画です。



なんと言っても主人公が「並の弁護士じゃない」というか、まさに清濁併せ呑む大物感がある人物なので、

依頼人との心理戦もしっかり受け止めて戦えるたくましさがあって、

それ故にこの手の弁護士話としてはやや異質の展開にもついていけるキャラとしての強さがあり、

そこがすごく良かったし面白さにつながっていたと思いますが、ただ…ラスト近辺がちょっとあっさりしてる気がしてですね。

特に解決編と言える終盤の見どころは、主人公のちょっと変わった人物像で引っ張った良質なドラマから

一気に凡庸なサスペンス的人選に帰結しちゃったもったいなさもあったし、

そこでの決着の付け方もあっさりなのでカタルシスに欠ける部分もあって、なんだか惜しいな、と。

中盤はとても(自分の中で)盛り上がっていただけに余計に。



そんなわけでもう一歩うまくハマればめちゃくちゃ面白い映画になり得た気がして少し残念ではありました。

でもここで終わらせるには惜しい、なかなか面白い主人公だっただけに…

次も観てみたいと思わせる魅力がありましたね。今のところは作られて無いけど。



【このシーンがいいぜ!】

シーンとしてズバリここが、っていうのは無かった気がする。

でも別に全体的によくなかった、ってわけでもないです。



【ココが○】

主人公のキャラクターが一番でしょう。

アウトローながら(当然)自分なりの正義をきちんと持っていて、そことの精神的な戦いも盛り込まれてるのが良かった。



【ココが×】

ラスト云々除けば、マリサ・トメイ演じる元妻との関係性がイマイチわかりづらかったのが少し気になりました。

途中まで「元妻なの? 今いい感じなの? なんなの?」ってよくわからないっていう。

運転手雇うだの何だのとか刑事とのアレコレにしてもそうですが、主人公以外の人間描写はイマイチ丁寧さに欠けます。



【MVA】

ブライアン・クランストンがひじょーにシブくてよかったんですが、でもまあこの人でしょう。



マシュー・マコノヒー(ミック・ハラー役)



主人公。

映画の中の弁護士って言うとどうしても小綺麗なイケメンが多い印象なので、この人の人間臭い弁護士は結構新鮮でした。

そしてすごく似合ってた。さすが。

スレ過ぎてない人間臭さも良かったし、お見事です。

やっぱもうちょっとこの人のこの役、観たいなー。





映画レビュー662 『隠し砦の三悪人』


本日はBS録画より。

かねてより観てみたいと思っていた黒澤映画をダダっと放送していたタイミングがあったので、概ね録画しておきました。

まずはこちらから。

ちなみに後年黒澤版ではないリメイク版も作られたようですが、こちらはオリジナルの方です。モノクロです。

ジャンル的には時代劇だと思いますが、カテゴリを増やすのがめんどくさいのでドラマで許してください。



隠し砦の三悪人
The Hidden Fortress
監督黒澤明
脚本菊島隆三
小国英雄
橋本忍
黒澤明
出演三船敏郎
千秋実
藤原釜足
藤田進
志村喬
上原美佐
音楽佐藤勝
製作国日本
公 開1958年12月28日
上映時間139分
隠し砦の三悪人












【あらすじ】

褒賞で一稼ぎしようと戦に参加した百姓の太平と又七だったが、何もできずに捕虜となった後、暴動に紛れて脱走する。

逃走中、焚き火に使った薪から金の延べ棒を発見した二人は、大喜びで他の薪を探して歩いていたところ、

一人の屈強な男と出会う。



【総評】★★★★★★★★☆☆(★8)


フリも気持ちよさもバッチリ!


Wikipediaによると「黒澤映画の中でも特に娯楽性の強い作品」とのことで、ナルホド確かに時代劇ではあるものの

今の時代に観てもしっかり“娯楽”している、素晴らしい内容に思わず唸りました。

約60年前の映画ということで、ところどころ気になる点はあるものの、

その辺は最後まで観るとスカッと忘れられる「仕舞いの良さ」があり、思いの外大満足致しましたでございますことよ。



物語は「一稼ぎしようと戦に参加したもののまったく振るわずに終わってしまった百姓コンビ」の姿からスタート。

この戦は秋月家と山名家という二人の大名の戦いなんですが、結果山名家が勝って秋月家は滅ぼされてしまいます。ガメオベラ。

秋月陣営についたこの百姓コンビは捕らえられ、埋蔵金探しの苦役に動員されられるも捕虜たちの暴動で逃げおおせ、

逃げ途中にたまたま金の延べ棒を発見し、「もっとあるに違いない」と欲張って探していたところ一人の屈強な男に遭遇、

その彼がどうやらもっと金の延べ棒を持ってるらしい、彼と一緒に隣国に逃げられれば大金持ちになれそうだ…

ということで一緒に逃げることになった3人のお話なんですが、この“屈強な男”というのが、

先の戦で敗れた秋月家の侍大将・真壁六郎太であり、彼の使命は先の戦で生き残った雪姫というお姫様を

無事隣国の秋月家同盟国・早川領まで逃げさせる、というもの。

そしてその金の延べ棒は秋月家再興のための軍資金なんですが、

さすがに六郎太と姫の2人+馬ですべてを運ぶのは無理があることもあり、

太平と又七を運び屋として利用しつつなんとか秋月家を再興しようぜ、という逃亡劇でございます。



んで、当然姫だとわかっちゃうと逃げる道中もいろいろ問題がある(そもそも山名に狙われている)ので、

姫は「おし(唖)」、つまり口がきけない人のフリをして旅をする作戦で、

六郎太以外、つまり百姓コンビも含めて彼女が姫であることは知らずに旅が進みます。

この辺がまたなかなかイイスパイスになっていて面白いわけですが、まあ細かい部分は観て頂くとしましょう。



僕も観る前に「スターウォーズ(エピソード4)に影響を与えていたタイトル」だということだけは知っていたんですが、

しかし悲しいかなスターウォーズのエピソード4は観たのがもう多分30年ぐらい前の話なのですっかり覚えておらず、

「ナルホドそうなのね」以外の感想が出てこないという悲しみ。

何でもこの映画の百姓コンビ・太平と又七はそれぞれC-3POとR2-D2のモデルになったと言われ、

また雪姫の男勝りな性格はレイア姫に受け継がれ、ラストシーン等にその影響が見て取れるとのこと。



さて、この映画をフラットに現代人的目線で観た場合、やはり見どころ=監督が力を入れていたであろう

シーンの数々に関しては、今からすると結構尺が長めで冗長に感じられる気はしました。

たっぷり時間を使ってたっぷり見せます、という感じで。

この辺はおそらく現代と当時における娯楽の多さの違い、娯楽に割ける可処分時間の違いが影響しているんじゃないかなと。

今はやっぱり(娯楽に限らず)良くも悪くも飽きやすく、次から次へと目まぐるしく変化していく時代なので、

どうしても長いな、もうちょいテンポ良くていいのにな、と思う面は多々ありました。

上映時間は約2時間20分ですが、今の時代に作るなら間違いなく2時間には収まっていたでしょう。



また、これはもう致し方のないことではありますが、やはり録音環境の悪さなのかややセリフが聞き取りづらい部分がある点と、

時代劇特有の耳慣れない言葉が多少なりともあるので、邦画とは言え言語的にやや理解しにくい面があったのも事実です。

上に書いた「唖」も、耳で「“オシ”になっていただこうと思っております」と聞いたときは、

「おし? お忍び? …シノビってこと? じゃあくノ一? 太ももでハァハァ?」と若干期待したこともここに告白しておきましょう。



この言葉と聞き取りづらい音声面での問題は「日本のいちばん長い日」と同じような問題点なので、

古い邦画にはどうしてもそういう部分が出てくるものなのかもしれません。

洋画に関しては字幕なので、逆に今と昔であまり理解のしやすさ・しにくさに違いがないことが

観やすさにつながっているんでしょうね。



そんなこともあって、序盤はあまり乗れずにいた部分もあったんですが、

中盤以降から最後までは先の気になる展開にグイグイと惹きつけられ、結果的には大満足。

素直に「面白かったー!」と思えた映画でした。

さすが世界のクロサワだぜ、と(現状)たった2作しか観ていない分際でのたまっておきます。

観てよかったー。



【このシーンがいいぜ!】

火祭のシーンは良かったですね〜。人の多さの迫力もあったし、姫を始めとした嬉しそうな主要人物たちもそうだし。

あとは当然、ラスト直前も良かった。

それと六郎太の馬に乗りつつ切り伏せる殺陣もかっこよかったし、その後の一騎打ちもアツい。ちょっと長かったけど。



【ココが○】

伏線もいろいろ散りばめつつしっかり後々効いてくるストーリーの巧みさは今観ても素晴らしいですね。

あと太平と又七の絶妙なキャラクター。ダメ人間だしクズなんだけど憎めない感じがグッド。

それとマスゲームのような大量のエキストラを使った迫力あるシーンが随所にあった点も見逃せません。



【ココが×】

上に書いたように、やや聞き取りづらい音声と、理解しにくい一部の言葉。

そしてちょーっと冗長な見せ場の数々、というところでしょうか。

ただこれは全部時代故に仕方ないところだとは思います。



【MVA】

三船先生は相変わらずの迫力で文句なし、さすがでしたねー。

この人のセリフだけはまったく聞き取りづらいことがなかったんだよな…やっぱり発声からしてモノが違うんでしょうか。スゲェ。

太平と又七も本当にそれっぽくて見事でしたが、気になったのはこの人でした。(綾鷹でした風




上原美佐(雪姫役)



一本調子な演技ではあるものの、凛とした雰囲気と目力はまさに姫様感たっぷりで素晴らしかったです。

実際にこんな姫いただろうな、いい国作りそうだな感がハンパない。

この映画がデビュー作で、さぞや大女優になったんだろう…と調べたら、

「私には才能がない」と言ってたった2年で引退したとか。ううむ、もったいない…。

ただ、だからこそこの映画が貴重な出演作として今も光り続けるというような部分はあるんでしょう。




映画レビュー661 『俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-』


またも配信終了が間近に迫った映画からチョイス。

そこそこ評判だったようなので観てみましたが…。



俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-
Step Brothers
監督アダム・マッケイ
脚本アダム・マッケイ
ウィル・フェレル
原案ウィル・フェレル
アダム・マッケイ
ジョン・C・ライリー
出演ウィル・フェレル
ジョン・C・ライリー
リチャード・ジェンキンス
メアリー・スティーンバージェン
音楽ジョン・ブライオン
製作国アメリカ
公開2008年7月25日 アメリカ
上映時間105分
俺たちステップブラザース












【あらすじ】

熟年結婚することになったロバートとナンシー。

しかし二人にはそれぞれ同居するアラフォーのいい歳こいた息子、ブレナンとデールがいた。

結婚したことでロバートの家に息子のブレナンともども引っ越してきたナンシーだったが、

その息子二人がいがみ合い、家を荒らす毎日を過ごしていたところ、嫌味で成功者のナンシー次男・デレクがやってきて…。



【総評】★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)


またもクソつまんなかった。


アメリカでは大人気(らしい)、コメディ映画。

リチャード・ジェンキンス演じるハゲ親父が講演(?)先で客席にいた

メアリー・スティーンバージェン演じるナンシーに一目惚れ、マイクで「今すぐ乳揉みたいおっぱい」的なことを口走ったことで

お互い惹かれ合い、結ばれ、めでたく結婚。

しかし二人にはそれぞれどうしようもなくバカなアラフォーニート息子がいて、

その二人が結婚を機に同じ家に暮らし始めたことで…ある意味近親憎悪なんですかね、当然のようにいがみ合い、喧嘩の毎日。

しかしある日やってきたとても性格の悪いナンシーの次男・デレクをぶちのめしたことで意気投合、

仲良くなったものの結局いろいろ問題を巻き起こして…というようなコメディ映画でございます。



そこそこ評判が良かったので観てみたものの、ハッキリ言ってクソ映画でしたね。全然面白くなかった。

ズーランダー」と似た嫌悪感を覚えたんですが、まあ早い話が「バカを見下した笑い」なので、

品もなければ知性もない、ハッキリ言って中学生レベルのコメディ。

ドラムにキンタマ乗せるぞわーい! っていう。笑いどころが浅すぎる。

面接中のロングなおならとか。え!? 今の時代にまだこんな笑い!? みたいな。

改めてアメリカのド直球なコメディ映画は観る必要がない、合わないなと思いました。

ドコメディで面白かったのって「ハングオーバー!」ぐらいじゃないかな…。



もちろん、それなりに評判なことからもわかる通り、好きな人は好きなんでしょう。

僕にはまったく合いませんでしたが。

もちろんちょっと笑うところ、クスッとするような場面はありましたが、

でも…基本的に「40のオッサンがこれだけバカで空気読めないのって笑っちゃうだろ?」っていう程度の低い笑いなので、

これなら普通に日本のバラエティを2時間観てた方がよっぽど笑えます。

奇遇なことについ最近「日本の笑いはレベルが低い」とか言って炎上した方がいましたが、

こういうの観てたら明らかに日本の方がレベル高いでしょ、と思いますよね…。

(一応フォローしておくと、彼の言うアメリカの笑いはこういう程度の低い笑いを指しているわけではないと思いますが)



また仕方のないこととは言え、さすがにウィル・フェレルとジョン・C・ライリーみたいないい歳こいた二人が

アホ丸出しな人間を演じてるのって、もう明らかに「演じてる」って出ちゃうじゃないですか。

演技がヘタとかそういう話じゃなくて、本来頭が良いのはわかってるだけに、どうしてもわざとらしい嘘くささが漂うというか。

「マジでこの人頭おかしいんじゃね?」って感じさせるところまで踏み込んでないんですよね。

ジャンルは全然違いますが、この前観た「サイド・エフェクト」でのルーニー・マーラみたいな、

「演技なんだけど演技に見えない、マジでこういう人なんじゃねーか…」と思わせる、

思いたくなるほどの迫力がないので、結局演者もこういう人をバカにしてるだけじゃないか、

笑わせに行ってるように見せてるけどその実一緒になって嘲笑ってるだけじゃないか、と感じられてそこがまた嫌でした。

同じジョン・C・ライリーのコメディだったら、断然「おとなのけんか」の方が面白かったです。比にならないぐらい。

ああいう知的さがあるコメディの方が笑えるし、気持ちがいい。



主人公二人は中年ニートでとんでもないバカなわけですが、そのバカさっぷりを嘲るような笑いは底が浅くてパターンが読めるし、

おまけに前フリがくどいもんだから取って付けたような終盤の成長物語もベッタベタすぎてまったく感情移入できず、

ただただ「こいつら嫌いだわー」の2時間弱でしたとさ。

いやー、ひどかった。全然面白くなかったしむしろ不愉快だったし。

アメリカのコメディは人をバカにしすぎ。性格の悪さを感じる話が多い。

一言で言うなら超幼稚な映画。精神年齢低すぎ。

バカをバカにして笑う、ってやっぱりちょっとレベルが低いと思うんだよな…。

それなら某DPZのように、「本気でバカをやっている姿」だけ見せて受け手に委ねる方が好きです。

やってることはバカだけど、やってる方は大真面目で考えてやってる、っていう姿を見せるような。

この映画は「ほらバカでしょ、バカってほんとバカで笑っちゃうよなー」って丁寧すぎるぐらいにバカを強調して来つつ

バカに寄り添った視点ではなく、完全にマウントしてバカをこき下ろしているので(この辺は「ズーランダー」も一緒)、

笑うというよりは嫌悪感が勝りました。



ただ逆に言えば、そういうコメディが好きな人はかなり楽しめるかもしれません。

ね。



【このシーンがいいぜ!】

んー、ちょこちょこ鼻で笑う程度はあったんですが。呆れ笑いですが。

これは、っていうのは無かったかな…。採用担当が無駄に豪華だったのが気になったけど。

真面目に面接官やってたケン・チョンが出てきた場面が一番笑ったわ。逆に。



【ココが○】

徹底的に幼稚なので、そういう笑いが好きな人にとってはそこが良さになるんだろうと思います。



【ココが×】

本当にただバカをバカにして笑うだけの話なんですよね。

中学生が集まってゲラゲラ笑いながら作った話って感じ。

悲哀とか人間味みたいなものが皆無な上に、ラストのいかにもな持って行き方もヘドが出る。

どうせなら最後までバカやれよ。綺麗に終わらせようとするところがまた嫌。



【MVA】

クソ映画だったので誰でも良いんですが、一応。




メアリー・スティーンバージェン(ナンシー・ハフ役)



結構なおばちゃんになってますが、この人は相変わらず品があって優しそうでイイ。

ステキなおばさま感ゴイスー。




映画レビュー660 『大逆転』


1本劇場映画を挟みましたが、引き続きコメディ3連続鑑賞に戻っての最後の1本は

ちょっと古めのこちらの映画。



大逆転
Trading Places
監督ジョン・ランディス
脚本ティモシー・ハリス
ハーシェル・ワイングロッド
出演ダン・エイクロイド
エディ・マーフィ
ジェイミー・リー・カーティス
デンホルム・エリオット
ラルフ・ベラミー
ドン・アメチー
音楽エルマー・バーンスタイン
製作国アメリカ
公開1983年6月8日 アメリカ
上映時間118分
大逆転












【あらすじ】

先物取引会社の雇われ重役のウィンソープは、仕事も血筋も完璧で人当たりもよく、申し分ない人材だったが、

ある日その会社の経営者であるデューク兄弟の思いつきで、

「環境と血統のどっちが人を作るのか」という賭けの対象にされてしまい、

ホームレスのバレンタインと立場を入れ替えられ、一夜にしてホームレス同然にさせられてしまう。



【総評】★★★★★★★☆☆☆(★7)


なんかイイ雰囲気の80年代コメディ。


ジョン・ランディス監督×ダン・エイクロイド主演という、そうあの伝説の名作「ブルース・ブラザーズ」のコンビということで、

否が応でも盛り上がるぜ! と大変楽しみにしておりました。

ちなみにダン・エイクロイドの相方であるジョン・ベルーシはすでに他界した後の映画ですが、

代わりに…なのかはわかりませんが、弟のジェームズ・ベルーシもチョイ役で出ております。粋だね。



そのダン・エイクロイドが演じる主人公は、とある歴史ある商品先物取引会社の重役であるウィンソープ3世。

3世なんて付いちゃってますからね。執事付きの豪邸で暮らす、まさに絵に描いたようなセレブです。

彼は会社を経営するデューク兄弟から、その出自と商才、そして人柄を大いに買われ、順風満帆な生活を送っていましたが、

ある日たまたま彼らのいたナントカクラブ的な名門サロンみたいなところにホームレスのバレンタインが飛び込んできたことで、

「出自よりも環境が人を育てる。コイツをうちの会社の重役にしても立派な人間になるだろう。賭けてみるか?」という

キチ●イじみた兄弟の賭け事の対象として知らぬ間に立場を入れ替えさせられ、

一夜にして住む家もお金も恋人もすべて無くしてしまいます。

彼の代わりに重役となったバレンタインを演じるのは懐かしの(って言ったらアレですが)エディ・マーフィ。

ステレオタイプな黒人として嘲笑されつつも、彼は彼でそれなりに適応し、はてさて二人はどうなることやら…というコメディです。



ゴルゴ13でも金持ち二人が「大概の遊びに飽いた」ってことで、人殺しの数を競ったり殺し屋同士で殺し合いをさせて

どっちが勝つか賭けたり、っていうこれまたキ●ガイじみた賭け事をする話が出てくるんですが、

金持ちっていうのはやっぱりこういう人格を無視したような賭け事をしたがるんでしょうか。

それもまたステレオタイプなイメージなのかもしれませんが、話の種としてはうってつけなんでしょう。

まさに胸クソ悪い爺二人の気まぐれ賭け事のおかげで、一夜にして人生を変えさせられてしまった二人。

設定的にも内容的にもコメディなのは間違いないんですが、しかしまあウィンソープが気の毒すぎて気の毒すぎて、

ちょっとケタケタ笑って気楽に観よう、ってところまでは行かなかったのが正直なところ。

ただ全体的にはいかにも80年代な雰囲気が感じられる“あの頃の映画だなぁ”感が強く、

何度も書いてますが「80年代映画全盛期説」を唱えるワタクシとしてはなんだか雰囲気だけでグッとくるものがありました。



話としては約2時間ある割にあまり中身があるわけでもなく、けっこーダラダラと二人の現状描写が続く感じで、

物語が切り替わる部分、いわゆる起承転結で言うところの転の部分に行くまでは間延びしがちな印象。

ただ今となってはそのダラダラとした部分の大らかさも「この時代っぽい」雰囲気の良さを感じられる面があるので、

コメディということもあるし、そんなに構えずにこっちもダラダラと気楽に観ると良い映画なんだろうと思います。

この頃のダン・エイクロイドとエディ・マーフィと言えば、もはやコメディとしては二大スター共演と言っても

差し支えないレベルでネームバリューのある二人だろうし、物語そのものの善し悪しよりも、

80年代にこの二人が共演したコメディ、という…大げさに言えば映画史の隅っこの方に記される一つの歴史を観る、

ぐらいのイメージで映画ファンとして観ておいて損はないんじゃないか、という気がします。



話自体は大体読めるし、良くも悪くもこの頃らしい展開を見せる映画なので、

細かい部分は気にしないで雰囲気を楽しんでちょっとハッピーになれればいいんじゃないかな、と。

いやぁ、やっぱり80年代の映画は良いですよ。なんか。なんかイイ。



【このシーンがいいぜ!】

もうどうでもいいほどにコメディしてた、列車の個室のシーンでしょうか。

本当にどうでもいい内容なんですが、もうなんかバカっぽくて笑った。



【ココが○】

変に奇をてらっていないラスト。

ベタだけど、それがいい的な。

この話はこれで良いんですよ。



【ココが×】

中盤は結構ダレ気味なところと、あとはさすがにシステム的に古いこともあって、取引のアレコレがイマイチわかりづらいところ。

これはもう今の時代から観た場合は仕方ないんでしょうが、ロジックは理解できても取引自体が追いついてるのか?

みたいなちょっと気になる部分はありました。



余談ですが、しかし相変わらず昔の映画はモニターで古さを感じますね。

30年前がコレなら、30年後はどうなってるのか…。



【MVA】

ダン・エイクロイドが本当に上流っぽく見えたのが面白かったですね。お坊ちゃまっぽいというか。

散々ベルーシとラリった後のハズなんですが。

彼も良かったんですが、今回気になったのはこちらの方。



デンホルム・エリオット(コールマン役)



執事の爺さん。

執事っぽい品のある雰囲気がゴイスー。

ただの脇役かと思いきや…意外と良い役だったりもして、美味しいポジションだったと思いますが、

柔らかな佇まい、雰囲気がとても似合っててよかったです。




映画レビュー659 『ゴースト・イン・ザ・シェル』


攻殻機動隊は原作もアニメも一切触れたことがないんですが、面白そうだなぁと思っていたので楽しみにしていました。

今年はこれで劇場4本目、ほぼ月イチペースですね。

わざわざ2Dでやっているところを探し、某しんちゃんの牙城まで攻め込む形に。オラオラ。



ゴースト・イン・ザ・シェル
Ghost in the Shell
監督ルパート・サンダース
脚本ジェイミー・モス
ウィリアム・ウィーラー
アーレン・クルーガー
原作士郎正宗
『攻殻機動隊』
出演スカーレット・ヨハンソン
ピルー・アスベック
ビートたけし
ジュリエット・ビノシュ
マイケル・ピット
チン・ハン
ダヌーシャ・サマル
ラザルス・ラトゥーエル
泉原豊
タワンダ・マニーモ
音楽クリント・マンセル
ローン・バルフェ
製作国アメリカ
公開2017年3月31日 アメリカ
上映時間107分
nowprinting

















【あらすじ】

人間と機械の境界が曖昧になった近未来。

サイバー犯罪やテロ行為を取り締まる「公安9課」に勤める“脳以外すべて義体”のエリート捜査官「少佐」は、

あるテロ組織の事件の捜査に関わるうち、自らの記憶の“真実”に近付いていくが…。



【総評】★★★★★★★☆☆☆(★7)


映像はハンパ無いけどストーリーはフツー。


ということでいまだにいろいろな創作物に影響を与えていると言われる、伝説的なマンガ「攻殻機動隊」の初実写版映画。

最初に書いた通り、僕は原作にまったく親しんでいないので、ストーリー的に原作との違いがどうなのかとかはサッパリわかりません。

主人公である「少佐」を中心に、「公安9課」というエリート犯罪捜査組織がとある事件を追っていくうちに、

その少佐の出自や、彼女が第一号である“脳以外すべて義体”の人たちのプロジェクトについての真相に迫っていく、

というSFサスペンスになっております。



この映画化の話を初めて耳にしたのは…もう4年ぐらい前でしょうか。

当時から「草薙素子がスカーレット・ヨハンソンはおかしい!」といろいろ叩かれていた気がしますが、

良くも悪くも原作に思いの無い人間からすれば、スカーレット・ヨハンソンはものすごく合ってた気がしますねぇ。

もちろんあの顔ではあるんですが、黒髪ショートなだけでなんとなく

「よくハーフ? って聞かれるんですけど純日本人です」みたいな女子に見えなくもない気もしないでもない、という。

何より“脳以外すべて義体”、つまり顔も作り物という設定からすると、これほどぴったりな人はいない気がしました。

正直この規模の映画の主役を張れるレベルのアジア人で、ここまであの綺麗かつ無機質な美しさを持っている人は…いないでしょう。

メイクも編集もすげー大変だっただろうなーとかそういう余計なことばっかり考えちゃったぐらい、接写もめちゃくちゃ綺麗で。

良い意味で人間さの無い、「ものすごく良く出来たCG」っぽい肌みたいな。

いやー、改めてスカヨハすげーな、と思いましたね。世間的にはお肌の曲がり角的な年齢のはずなのに。



んで、何度か書いてますが僕は「アイアンマン2」の時は彼女のアクションダメだなーと思ったんですよ。

ただもうさすがにそれから何本もやってるせいか、アクションもお手の物で相変わらずカッコイイし。

原作における少佐の性格もよく知りませんが、ことこの映画におけるキャラクターとしては、

やや冷たそうだけど人間味は失っていない感じと、自分の出自に揺れる細かい心理描写は文句ない演技だったので、

見た目と原作依拠だけで「主役を日本人にしました!」とかやっちゃった方が惨事になったんじゃないかと思います。



ただ、キャスティングで言えば…正直言ってスカーレット・ヨハンソン以外はやや落ちる印象が強く、

もう一人、できれば黒幕的な敵役の人にはもう少しビッグネームを充てて欲しかったなぁという気はしました。

バトー役のピルー・アスベックは良かったと思いますが、他は大体迫力不足な印象で…。



で、一応書いておかないといけないと思うんですけどね、ビートさんですよ。荒巻役。

もうこれが箸にも棒にもかからないほどひどかった。

最初はどっちかって言うと応援する気持ちで観てたんですよ。

話によると一度は「英語できないし」って断ったらしいんですが、日本語でいいからやってくれと頼まれたらしいんですが…

だったらもうちょっとマシな演技してくれよ、と思います。

一人だけ(厳密に言うと違いますが)日本語で話し、会話が成立する世界…まあそれはいいでしょう。

テクノロジー云々でいくらでも説明のきく世界だろうし。

そういう細かい設定どうこう以前の問題というか…まあ早い話が演技がひどい。

なにせ日本語なので、抑揚も細かく伝わっちゃうし、いかに平坦な話し方なのかがひどくわかっちゃうので、

これはちょっと擁護できないな、という感じで。



その辺のキャスティングの問題を抜きにしても、すごい映像でいかにも込み入ってそう…に見える話も意外とフツーだったし、

映像がすごい分、期待が膨らむんだけど…それほどの話じゃなかったな、みたいなガッカリ感があってですね。

「ハリウッド大作!」「あの攻殻機動隊原作!」「スカヨハ主演!」的な掛け声の前にパッタリ倒れちゃったハリボテ感が。

こう言っちゃうのはちょーっと厳しめな気はしますけどね。

これ以上込み入った話にすると、多分予備知識が無い上にこの手のサスペンス的展開に慣れていない人は

ついていけなくなっちゃいそうな気もするし、大作としてはギリギリのところだったのかもしれません。

僕はこういうSFサスペンスが結構好きな方なので「もっとクレクレ」と思っちゃった部分はあります。

かと言って高校生カップルが観て「超すげぇ!!」ってなるのかというと…そこまで優しいとも思えないし、

イマイチターゲットがどこにあるのかがわかりづらい映画のような気はしました。



原作好きな人からすればもっといろいろ思うところもあると思いますが、ひとまず原作を知らない映画好きからすれば、

世界観は良いけどもう一歩…というところでしょうか。



【このシーンがいいぜ!】

オープニングがめっちゃかっこよかったです。ものすごい期待値上がった。

その後の最初の飲みの席に飛び込むアクションも超かっこよかった。

ということで開始20分ぐらいが一番の見所です。



【ココが○】

とにかく映像は素晴らしいですね。「ブレードランナー」の正統進化って感じで。

未来感と気味の悪さが同居した、良い意味で気持ち悪い世界がすごくイイ。



あとは原作を知らない人間が何言ってんだ、って話ではあるんですが、

なんとなく雰囲気的にはかなりしっかりと原作をリスペクトしているように見えました。

今までのハリウッド映画でありがちだった「なんちゃって日本」という感じではなく、

背景には“間違ってない”漢字が結構配置してあったりして(高い! 高い!)、

細かい部分でちゃんと「日本原作の映画だよ」というのを見せてきている気がしました。

今回初めて中国資本丸出しのオープニングロゴを観て、

それ故にやや中国寄りの舞台になっているんじゃないかなと予想しつつ観てましたが、

そういう部分はあまり感じられず、むしろ日本に由来がある物語だということをしっかり表現しようとしていたように観えたので、

面白さどうこうは抜きにして、原作に対して誠意のある作り方をしていたんじゃないかなと思います。



しかし原作は結構古いハズですが、表現方法の巧みさなんかもあるとは言え、

現代における“近未来SF”として普通に成立する世界観っていうのは…すごいですね。原作の力がすごい。



【ココが×】

上に書いてない部分で言えば、ラストの決着をつける最もピークのバトルがあるんですが、

そこがやっぱりご多分に漏れずかなり暗い場面での戦いなので、あれはもう3Dだと観られたもんじゃないと思いますね。

この映画の3Dはほんとキツイんじゃないだろうか…。

あの映像をどう3Dにしたのかは少し気になるけど、あの暗さはどうあがいてもカバーできない気がする。



あと少佐の義体、あんな艶かしくしなくてよくね? と思いましたが、編集を考えて素のスカヨハとできるだけ近い形にしたんでしょうか。

それにしてもちょっとむっちりしすぎじゃないかと思いましたが…。

この話で妙なエロスが出ちゃうのは余計だと思うんだよなー。おっぱいの膨らみすらいらないと思うし。

まあその辺は原作との兼ね合いもあるんだろうし、難しいところなんでしょうが。



【MVA】

意外なところでは桃井さんがね。英語も上手でとても良かったですね。

某ビートさんとはまったく違って。正しい日本人の使われ方だと思います。

ただまあこの映画はもうこの人しかないでしょう。



スカーレット・ヨハンソン(少佐役)



上に書いた通りですが、「作り物のように綺麗な造形」で「アクションもこなせ」て「主演を張れるネームバリューと演技力」

からすればこの人以外は無かったんだろうな、と納得の人選。




映画レビュー658 『サイド・エフェクト』


ということでコメディ続きはウンザリ(しかもここまでの2本とも自分の中ではハズレ)なので、1本サスペンスを挟むことにしました。

前々から観たかったこちらの映画。



サイド・エフェクト
Side Effects
監督スティーブン・ソダーバーグ
脚本スコット・Z・バーンズ
出演ジュード・ロウ
ルーニー・マーラ
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
チャニング・テイタム
音楽トーマス・ニューマン
製作国アメリカ
公開2013年2月8日 アメリカ
上映時間106分
サイドエフェクト









【あらすじ】

インサイダー取引のために4年間収監されていた夫が出所、久しぶりに愛する夫と過ごせる日々が帰ってきて幸せ…

なはずのエミリーだったが、以前から患っていたうつ病が再発、夫が戻ってきた直後に自殺未遂の事故を起こしてしまう。

事故直後に彼女を診察した精神科医のバンクス博士は、彼女自身が希望した新薬を処方、

彼女も快方に向かっていたように見えたが…。



【総評】★★★★★★★★☆☆(★8)


予想を裏切りつつ進む後半が見どころ。


ドッペルゲンガーぐらいの確率で世に存在すると言われる「なんプロマニア」の皆様はご承知の通り、

ワタクシ「オーシャンズ」シリーズが大好きなので、スティーブン・ソダーバーグ監督というだけで

ハードルもテンションも上がってくるわけですが、なぜに監督休業しちゃったのか解せないレベルに面白い、

いやはやなかなかしっかりサスペンスした面白い映画でございました。



タイトルの「サイド・エフェクト」とはいわゆる薬の副作用のことで、

ルーニー・マーラ演じるうつ病を患っている健気な(そしてかわいい)嫁・エミリーが、

新しく自分にフィットすると思われる薬を得て、再び幸せな生活を築けるようになったかと思いきや、

副作用で夢遊病が出るようになってしまい、その結果旦那を…ああ! というお話です。



が、その旦那どうこうまではまだまだ入り口のお話で、ここからさらにいろいろと…いやー書けない。

やっぱり「これ実はこういう話?」みたいな予想の楽しみも奪いたくないので、

もうこれ以上あーだこーだ書いちゃうといろいろわかっちゃうだけに書けないという…難しい。



ということでいつも以上に書くことがない(というか書けない)わけですが。

僕はね、最初は「やっぱりかわいくてもメンヘラ女子の相手は大変そうだなー」と思って観てたわけですよ。

(メンヘラとうつ病の違いとか細かい部分は置いといて)

結構「かわいいメンヘラ女子」っていうのは、男の中では割と議論になりやすいテーマだったりするんですよね。

下半身的には行きたいけど脳味噌はやめろと言っている、みたいな。

※念のためお断りしておきますが、僕の意見ではありません。

そんな感じで、「メンヘラ女子と精神科の問題をサスペンスタッチで…」みたいな感じで観てたわけです。

ところが…!

ま、あとは観ていただいて、と。



その重要なメンヘラガール・エミリーを演じるのがルーニー・マーラ。

相変わらずめちゃくちゃかわいい。そして演技がベラボーにウマイ。

彼女を診る精神科医のバンクス博士がジュード・ロウ。なんだか久々な気がします。

彼も出から真っ当で、「ジュード・ロウ久々に真っ直ぐな良い役じゃねーの?」と思ってたわけですが。わけですが…!

そして彼女を以前診ていたという、これまたキーマンと言える精神科医がシーバード博士。

こちらはキャサリン・ゼタ=ジョーンズが演じます。

今までとはまったくイメージの違う才女のオバハンという感じでこれまた名演。彼女らしいコメディ感を消してがんばってます。

あとエミリーの旦那がチャニング・テイタムですが、彼だけはもう本当にいつも通りの

「なんか良いやつそうなマッチョ」の域から出ていないので特に何か言うこともなく。

割と早々にアレしちゃうのでね。ええ。アレはまだまだ導入部分なので匂わせるのはお許しください。



そんな四者のお送りする、精神病と薬と人間関係のサスペンス。

なかなか今までありそうでなかった話でもあるし、大変満足致しました。

細かい部分で若干の不満はあるものの、何よりメインの方々の演技力が素晴らしいので、これは一見の価値があると思います。

特にルーニー・マーラは素晴らしい。かわいすぎる。かわいすぎて演技がうますぎて素晴らしい。素晴らしくてかわいすぎる。

自分が女優だったらこんな演技観たら女優続けられねっすよ。まじで。

これまた例のごとくタイトル書いちゃうとネタバレになっちゃうのでリンクだけ貼っときますが、

最後まで観て僕はアノ映画を思い出しました。あんな感じの怖さを感じた。



(くどいようですが)これまたネタバレ回避で書くのが難しいんですが、この話、

この映画通りの結末以外の展開だったと想像しても、どれも結構怖いんですよ。有り得そうで。

結末自体は割とスッキリさせてくれるんですが、でも実はいろいろと社会の問題点を内包した懐の深い物語だし、

これはなかなか味わいがいのあるサスペンスだと思います。実は社会派の要素もしっかりあるという。

サスペンス好きな方はぜひぜひ。



【このシーンがいいぜ!】

後半の解決部分はどこも印象的でしたが、なんというか…バンクス博士のいやらしさが出てたのが、

エミリーの病棟の窓から見える位置でシーバート博士と会話しているシーン。

あの辺からはもうノンストップでしたね。気持ち的に。



【ココが○】

本当に詳細書けないのが申し訳ないんですが、上に書いた通り、

現実にある様々な問題を内包した物語っていうのが良いんですよね。

実はそういう意味では、この終わり方は結末としては一番社会的な問題を感じないお話かもしれません。

こういう結末じゃなかった場合の方が社会の問題が見えてくるというか、

いろんな構造・システム的な欠陥が露出しちゃうのが怖い。そういう部分を見せてきてるのが良いですね。

描かない部分で現実社会の危うさを匂わせてる懐の深さというか。コワイ。



ただ映像的にはショッキングな部分もあんまりないし、すごく観やすいのもまた素晴らしいと思います。



【ココが×】

ラストねー、ちょっとスッキリしすぎというか。

人間的にもうちょっと何かしらありそうなのに、意外とあっさりで。そこがちょっと不満。

最終的にはアノ人がアノ人とアレしてたらアッー! みたいな展開を読んだんですが全然違いました。

それは良かったんだけど。



全然わからない書き方でサーセン。



【MVA】

いやー、3人が3人ともとても良かったですよ。チャニングさんはごめんなさいね。そのままだったので。

でもなー。ちょっとこの人が良すぎた。



ルーニー・マーラ(エミリー・テイラー役)



多くは語りませんので観ていただいて。

にしても、演技でここまで精神病っぽい感じができちゃうんじゃ、リアルで演技されたらもうお手上げじゃない?




映画レビュー657 『40男のバージンロード』


続いてコメディ2本目。

なんか「40男の~」ってタイトルが刺さりますね、もうね…なんかね…。



40男のバージンロード
I Love You, Man
監督ジョン・ハンバーグ
脚本ジョン・ハンバーグ
ラリー・レヴィン
出演ポール・ラッド
ジェイソン・シーゲル
ラシダ・ジョーンズ
音楽セオドア・シャピロ
製作国アメリカ
公開2009年3月20日 アメリカ
上映時間105分
40男のバージンロード












【あらすじ】

不動産会社に勤めるピーターは、恋人のゾーイとの結婚も決まり、リア充な日々を過ごしていた。

しかしさて結婚式の段取りを…と考え始めたところで、自分には「花婿介添人(ベストマン)」となる親友がいないことに気付く。

「同性の友達のいない男って最悪よ?」的な嫁友の言葉を耳にして焦りが募ったピーターは、

今から親友を作ろうと“友活”を始める。



【総評】★★★★★★☆☆☆☆(★6)


所詮リア充のお戯れ。


最近では「アントマン」でおなじみの、ポール・ラッド主演の「親友作り」コメディ。

確かに社会人になってからの友達作りって大変ですよねぇ…。わかる。

わかるけど、「友達ができるまで」よりも「できてからのアレコレ」の方がかなり比重が大きいお話なので、

その辺の悲哀でグッと来たぜ、みたいな映画にならなかったのが残念。



テーマ的にどうしてもパトリス・ルコント監督の「ぼくの大切なともだち」を彷彿とさせますが、

あの映画との決定的な違いは、主人公・ピーターが「完全にリア充である」ということ。

結婚を決め、まさに人生絶頂期のその時に「あれ? 俺友達いなくね?」ってことで親友作りに奔走するわけですが、

所詮リア充なのでね。こいつは。

基本幸せなので、焦ってアレコレやったところでまさに文字通り“コメディ”にしかならず、切羽詰まった感じがまるで無い。

なのでもうどうしようもなくひねくれ者の非リア(もうすぐ)40男としては「ケッ、くだらね」と斜に構えて観ておりました。

こちとら親友ぐらいいるわボケ、と。嫁がおらんから困っとんのじゃい、と。



我ながらここまでストレートに自己環境を映画にぶつけてひねくれるのもどうかと思いますが、

しかし話し合い(?)は平行線、「こっちは彼女(嫁)が欲しいんじゃボケ」「僕はそっちは決まったので友達が」と

まったく議論にならない価値観の違いが最後まで影響しちゃったかな、という感じ。

入り口の時点でピーターは幸せなので、もうその後彼があーだこーだやろうと別に面白くないんですよね。

「はいはい、ゲイだったね。でも帰ってフィアンセに愚痴ってってそれがもうノロケなんですが?」みたいな。



んで、割と早めに「こいつだ!」的な友達は見つかるんですよ。

そこで彼との友情をサクサク育み、やがてちょっとした危機が訪れて…ってな感じで、

結局はフツーのラブコメの同性版みたいなお話なので、性別が違う以外はさして目新しい部分がないのがツライ。



そう、結局ラブコメなんですよね。この映画。

ただ男同士で、関係性が親友っていうだけで。

原題がもうすでにそうなので、もうまんまそういう話として作ってるんでしょう。

そっくりそのまま、異性相手の恋人っていう関係に置き換えても成立しちゃうベタな話なので、

僕のリア充に対するヒガミを除いたとしても、別にさして面白い話でもないと思います。

いわゆる毒にも薬にもならないお話と言うか…。

その時はそれなりに楽しめるものの、時間が経てばほぼ全部すっかり中身を忘れそう。

決して悪い映画ではないし、つまらなくもないんですが、でもこの映画ならではの何かがあるわけでもなし、

逆に当然ながら「男あるある」みたいなものもご丁寧にいろいろ混ぜ込んで来てくれるので、

「嫁さんいない上に友達がいないこの主人公と似てる自分がツライ」みたいな、

表面上は至って平和なコメディでありつつも、実は僕のような非リア充に対しては

かさぶたを剥がしてさらにナイフで刺してくるような残酷さも見え隠れしているので、

なんつーか…人の痛みを理解しているようで理解していない、無知なる残酷さを持ったタチの悪い映画のような気がします。

もちろん、そういう作為はないと思います。思いますが、僕にはそう受け取れる嫌なものがありました。

確実にひねくれた受け取り方なのは間違いないんですが。



なので、あまり好きではありません。この映画。「ぼくの大切なともだち」の方が全然上。

リア充は親友がいようがいなかろうが勝手にそっちの世界でよろしくやってろ、と申し上げておきます。



【このシーンがいいぜ!】

びっくりするほど印象に残ったシーンを覚えてないので、該当なし。



【ココが○】

ひねくれて観なければ、それなりにテンポも良いし気楽に観られる映画だとは思います。



【ココが×】

個人的感情を抜きにすれば、やっぱり「実はただのラブコメでしかない」っていうのが大きいかな、と。

安心感はあるかもしれませんが、ラストもベッタベタなので見飽きた感がすごい。



あと言わなくてもわかるでしょうが、邦題がひどい。



【MVA】

ポール・ラッドはびっくりするぐらいフツーでしたね。こんな特徴無い人なのか、と。

で、問題の親友となるシドニー役のジェイソン・シーゲルも良かったんですが、この人かなー。



ラシダ・ジョーンズ(ゾーイ役)



ピーターのフィアンセ。

雰囲気がすごく良かったですね。キュートな感じで。若干木佐彩子みがありましたが。

あっさい感想でスイマセンね、ほんと。




映画レビュー656 『ズーランダー』


これまた配信終了が迫っている映画を続けて3本観ようと思うんですが、全部コメディなんですよね。

さすがに週末立て続けに3連続コメディはキツイので、間に1本挟もうと思ってます。

それはさておき、最初はこちら。タイトルは聞いたことがあったので観てみました。



ズーランダー
Zoolander
監督ベン・スティラー
脚本ドレイク・セイザー
ベン・スティラー
ジョン・ハンバーグ
原案ドレイク・セイザー
ベン・スティラー
出演ベン・スティラー
オーウェン・ウィルソン
クリスティン・テイラー
ウィル・フェレル
ミラ・ジョヴォヴィッチ
音楽デヴィッド・アーノルド
製作国アメリカ
公開2001年9月28日 アメリカ
上映時間89分
ズーランダー













【あらすじ】

男性ファッションモデルのトップスター、デレク・ズーランダー。

今年もモデル・オブ・ザ・イヤーをゲットして4年連続トップに君臨する…かと思いきや、

新進気鋭のライバル・ハンセルに破れてしまい、意気消沈。モデル引退を表明する。

しかしその直後、今まで自分を使ってこなかったデザイナー・ムガトゥから仕事の依頼が舞い込んで…。



【総評】★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)


人をバカにした笑いはレベルが低い。


ベン・スティラー監督・主演のドコメディ。

彼が演じる主人公のズーランダーは男性モデルなんですが、

もうのっけから自らを含めたモデルたちを徹底的にバカにした、程度の低い笑いのオンパレード。

というかバカにするためにモデルを演じているんじゃないかと思われます。

モデルに何か恨みでもあるんですかね。元カノを取られたとか…。

出て来るモデルたちはとにかく頭の中が空っぽで、普通に生活できねーだろこいつら感がスゴイ。

んで、一応話の筋としては、「暗殺には頭の中が空っぽのモデルが最適」だそうで、

その暗殺要員としてズーランダーに白羽の矢が立ち…というようなお話になっています。



が、まあこの手のドが付くコメディのご多分に漏れず、ストーリーなんてさして意味はなく、

いかにモデルをバカにできるか、バカをバカとして描写して笑いにつなげることが出来るのか、というところに注力した

徹底的なおバカ映画と言えるでしょう。



さて、そんなドコメディですが、感想としてはそれなりに笑えるシーンもあるものの、基本的にはぶっちゃけ不愉快でしたね。

僕はモデルとは正反対の側に生きている人間ではありますが、そういうポジショニング関係なく、

単純に「人をバカにして笑いを取る」というのはやっぱり気持ちの良いものではないな、と。

これは僕個人が、というよりは日本の笑いの文化としてそういう傾向があるように思います。

一言で言えば品がない。品がないから笑えない。



もちろん、モデル全般を敵に回すつもりもないんでしょうし、単純に「バカのアイコン」としてモデルを軸に置き、

「モデルっぽくない男がトップモデルとして評価されている姿も笑いに変える」=ベン・スティラー自らも身体を張って笑いに…

っていうロジックもわかるんですが、もうただモデル(及びバカ)を茶化してゲラゲラ笑おうぜ、っていうだけの話なので、

日本でこれが好きだ、って人前で言っちゃうとその時点で知性(及び品性)を疑われるんじゃないか、ってレベルでひどい。

まだこの映画公開当時の2001年ぐらいだったら良かったかもしれませんが、今だったら方々から叩かれて大変なんじゃないかな、

と余計な心配をしたくなるほどにひどい、笑いのレベルの低い映画だと思います。

と思ってたら去年続編作ったみたいですが…はてさてどうなんだか…。



ただ、これでもかと放り込まれたカメオ出演の面々と、有名映画のパロディだけは見ものだと思います。実際笑えたし。

まさかのトランプも出てくるし、ある意味今が旬のウィノナ・ライダーも安っぽい女として出て来るし、

今は亡きデヴィッド・ボウイもそれなりに大事な役で出てきます。そしてこの人が一番カッコイイ。

かと言ってその辺を観るためだけに観るにはしんどいのも事実なので、今あえて観るべき映画ではないと思いますね。

日米の笑いの文化の違いを検証したい、とかなら別でしょうが。

やっぱりコメディはコメディでも、イギリスのコメディのように悲哀を感じられるような、

コメディなんだけど人間愛を感じるような映画の方が全然面白いし、笑えると思いますが…どうでしょうか。



【このシーンがいいぜ!】

これはやっぱり…「2001年宇宙の旅」のパロディですねぇ。

一番笑いました。「ん? ちょっとあれっぽい…?」と思った途端にBGMが変わっていくというタイミングもナイス。

んでもって(多分)初代iMacが超懐かしい。



あとその後の「ゴッドファーザー PART II」のパロディも面白かった。



【ココが○】

豪華カメオ出演陣と映画パロディ。それだけ。



【ココが×】

とにかく品がなく人をバカにした笑いと(あえての)安っぽい映像、展開のコメディなので、

もうこういうコメディダメだな、って思ってる人は間違いなく観なくていいと思います。



【MVA】

ハッキリ言ってデヴィッド・ボウイに差し上げたいレベルなんですが、さすがにそれはやりすぎなので。



クリスティン・テイラー(マチルダ・ジェフリーズ役)



新聞記者の女性。

初めて観ましたが、結構しっかり観ると美人だな~なんて思ってたらベン・スティラーの奥さんだそうで。

公私混同かよ! と思いつつも良かったのでおっけー。




映画レビュー655 『エージェント:ライアン』


ということで引き続きジャック・ライアンもの。

つい最近劇場で予告編を観ていた気がしてましたが、もう3年前という…そりゃ歳も取るわ。

リブート版ということで、役者はもちろん、設定モロモロ変わっている上に話自体も新しい話なので、

あんまり過去のジャック・ライアンシリーズとは比べる必要もなさそうです。



エージェント:ライアン
Jack Ryan: Shadow Recruit
監督ケネス・ブラナー
脚本アダム・コーザッド
デヴィッド・コープ
原作トム・クランシー
(キャラクター創作)
出演クリス・パイン
ケビン・コスナー
ケネス・ブラナー
キーラ・ナイトレイ
音楽パトリック・ドイル
製作国アメリカ
公開2014年1月17日 アメリカ
上映時間105分
エージェント・ライアン










【あらすじ】

愛国心からアメリカ海兵隊に入隊するも、ヘリの事故で脊椎を損傷、除隊を余儀なくされたジャック・ライアン。

その姿を見たCIAのハーパーは彼をスカウトし、ウォール街で働きながらテロ資金の流れを追うように命じる。

CIAの一員となったライアンは、ある時ロシアのとある顧客の資金管理に怪しい点を感じ、ハーパーに報告したところ、

すぐにモスクワまで現地調査に赴くよう命じられる。



【総評】★★★★★☆☆☆☆☆(★5)


目新しさゼロ。


ジェームズ・ボンドほどのネームバリューは無いものの、今作で4代目となるジャック・ライアンを演じるのはクリス・パイン。

僕は基本的に「好きではない」俳優さんはそこそこいますが、明確に「こいつ嫌い」って人はほとんどいないんですよ。

しかし、数少ない「こいつ嫌い」のど真ん中に鎮座するのがクリス・パイン、そのお方です。

単純に顔が嫌い、っていうのもありますが、噂によると(というか訴訟沙汰になったそうなので事実でしょうが)

無名だった彼を熱心に売り込んで「スター・トレック」を持ってきたエージェントを

売れた途端にメール一通で切り捨てて大手に移籍した、というクズ野郎な逸話を聞き、より嫌いになりました。やったね。

もうその切られたエージェンシーは「エージェント:クズ野郎」でも撮ったら良いじゃないと思いますが、それって逆じゃん、ということで。

そんなわけで嫌いなので、普通であれば彼の映画は観ようと思わないんですが、

かと言ってそこまで役者の好き嫌いで選んでもいないし、予告編でちょっと気になってたしということで観てみました。

ちなみにジャック・ライアンについては、前回の久しぶりに観た「レッド・オクトーバーを追え!」の印象しかないので、

特に「ジャック・ライアンみすごい!」もしくは「ジャック・ライアンらしくない!」みたいな個人的な感情は皆無です。



リブート版ということで、改めて「ジャック・ライアンがいかにしてCIAの一員になったのか」から始まり、

初の大仕事(多分)である、“CIA捜査官としての現場”を描いた一作。

時代に合わせて多少のハイテク感は出てきますが、しかしあまりテクノロジーに寄った内容のスパイモノではなく、

あくまでアクションスパイ映画という感じでしょうか。

この映画を観る前から思っていたことですが、もはや今の時代「アクション映画の味付けとしてのスパイ」だけでは

娯楽映画としても楽しませられないぐらいに世の中のハードルが上がってるんじゃないかと思うんですよね。

そんな中、この映画は実際にもうまんま「アクション映画のスパイ味」でしかなかったので、まったく新鮮味もないし、

ワクワクするようなガジェットも出てこないし、クリス・パインだし、ってことで低いハードルすら越えられない程度の映画でした。

予告編では「誰が敵で誰が味方なのか…!」みたいな煽りもしていたように記憶していますが、

これまたひどい予告編で、そういう要素もまったくなく。

普通にCIAがちょっとロシアの富豪に手を突っ込んだ、っていうだけのお話でした。



このロシア人を監督兼務でケネス・ブラナーが演じているんですが、彼もなんだか重々しい割にヌケヌケで、

敵役としても脅威な感じがまったくなく、「うおお、ジャック・ライアンすげーぜ」感がゼロ。

おまけに終盤の敵の思考を読み取ってテロを未然に防ぐぞフェーズに至っては、

もう観客に考えさせようという気はサラサラないのか、情報が出てはすぐに答えの繰り返し。

古い例えで誠に申し訳ございませんが、少年時代に大好きだった「アメリカ横断ウルトラクイズ」の

機内ペーパークイズを思い出しましたね。

「問題:なんとかかんとかはナントカカントカ?      答え3」みたいな。

ちょっと間があってすぐ答え、みたいな。マジで思い出しましたからね、これ。

あとアレ。「ナショナルトレジャー2 リンカーン暗殺者の日記」も思い出した。

謎解きのように見えてすぐ答えが出てくるから解く気にならない、っていう。



まあそんなわけでですね。

不満ばっかりの映画でしたよ。

復活したケビン・コスナーが一番の楽しみでしたが、でもなーんかCIAの手練っぽい感じも薄いし。ちょっとお腹出てるし。

キーラ・ナイトレイも痩せすぎなのか角ばっててかわいくなかったし…。

全部クリス・パインの負のパワーのせいじゃねーの?

とまったく根拠のない中傷で終えます。結論としては観なくていいよ!



【このシーンがいいぜ!】

なっしー。



【ココが○】

これも特には…ただまあそれなりに観られたというか、一応期待持てないながらも通しで最後まで観られたので、

テンポとかつなぎ方は悪くなかったんだと思います。



【ココが×】

上に散々書いたので割愛。

せめて現代のスパイモノらしいちょっとしたガジェットでもあればなぁ。

リアル路線で行くには登場人物の魅力が薄すぎるし、陰謀も浅い。



【MVA】

ううむ…消去法ですがこの人かな…。



ケネス・ブラナー(ヴィクトル・チェレヴィン役)



監督だからなのかわかりませんが、一番ちゃんと映画に貢献しようとしてたような気がするんですが、多分気のせいです。

そんな眼力ありません。




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