なんかのプロジェクトM

なんのプロジェクトかは不明です。 そして「M」はムラムラの略です。 年中ムラムラ。

ようこそいらっしゃいました。

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映画レビュー界のスラム街と言われる、しがない超個人的映画レビュー兼データベースブログです。

基本的にネタバレ無し、「無知識無教養も恐れず感じたことを正直に書く」ことを信条にしております。

たまに毒を吐きます。

細々と続けながら、ようやく500本を突破しました。

これからもマイペースに増やして行きます。



しょっちゅう映画を観てる人も、たまにしか映画を観ない人でも、

ホンの少しでも参考になれば、この上なく嬉しいです。

コメント・トラックバックも大歓迎。お気軽にドウゾ。






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映画レビュー654 『レッド・オクトーバーを追え!』


今回も配信終了間近ということでこちらの映画を。

ちなみに次レビュー予定は「エージェント:ライアン」なんですが、

あの映画も今回の映画も主人公がジャック・ライアンという(架空の)同一人物だそーで。

「エージェント:ライアン」はいわゆるリブート版で、それまでに映画としてはこの「レッド・オクトーバーを追え!」以外に

「パトリオット・ゲーム」「今そこにある危機」「トータル・フィアーズ」と3本あります。

「パトリオット・ゲーム」は昔観た記憶がありますが、内容はサッパリ覚えておらず、

またこの「レッド・オクトーバーを追え!」も同じく、大昔に観たはずなんですがサッパリ覚えていないので、

まあ有名タイトルだしもう一度観てみるか、ということで観てみました。



レッド・オクトーバーを追え!
The Hunt for Red October
監督ジョン・マクティアナン
脚本ラリー・ファーガスン
ドナルド・スチュワート
原作トム・クランシー
出演ショーン・コネリー
アレック・ボールドウィン
スコット・グレン
コートニー・B・ヴァンス
サム・ニール
ステラン・スカルスガルド
音楽ベイジル・ポールドゥリス
製作国アメリカ
公開1990年3月2日 アメリカ
上映時間135分
レッド・オクトーバーを追え!










【あらすじ】

冷戦時代、ソ連から大型原子力潜水艦「レッド・オクトーバー」が出航、

それに少し遅れる形で他のソ連軍潜水艦が一斉に出航する。

すわ戦争か、と緊張高まるアメリカ政府だったが、CIAアナリストのジャック・ライアンは、

この一連の行動を「レッド・オクトーバーを手土産にした亡命策ではないか」と言う見立てを立てる。



【総評】★★★★★★★★☆☆(★8)


冷戦時代ならではの緊張感溢れる軍事サスペンス。


今観ても面白いのかは不明ですが、僕はかれこれ20年以上前に観た「クリムゾン・タイド」が痛くお気に入りだったことがあり、

それ以来「潜水艦映画」に対する期待感みたいなものが強い気がします。

潜水艦は情報が限られる分、良い意味で煽りやすいし、疑心暗鬼に陥りやすくてドラマを生みやすい…という

軍事サスペンスとしては格好の舞台だと思うんですが、

まあ時代なのか…冷戦終結後はあんまり観なくなった気がしますねぇ…。

この映画も1990年の映画なので、もう30年近く前の映画になりますが…やはり潜水艦映画らしい緊張感がたまらない、

今観ても十分楽しめる軍事サスペンスになっていました。



この映画に登場する「レッド・オクトーバー」は、タイフーン級っつー…まあドデカイ原子力潜水艦でですね。

ほぼ無音で推進できるというこの当時(今どうかは知りません)アメリカですらなし得なかった

超画期的推進システムを搭載しているため、事実上まったく敵に感知されずに

突然敵の懐から核ミサイルを撃ち込めるという…アメリカとしては悪夢としか言いようのない機構を備えていて、

この潜水艦が出航、そしてその直後に他のソ連軍潜水艦も大量に出航したという事実から、

「いよいよソ連はアメリカに戦争を仕掛けるのか」と気が気でないわけです。

一方、実際のレッド・オクトーバー内では、政府よりお目付け役として乗り込んでいる

政治将校(なんとその名前プーチン)を艦長が殺害、早いタイミングで「亡命目的だぜ」とお知らせしてくれます。



しかし、舞台は深海で通信手段も限られている上に、意図を知りようがないアメリカは撃沈を狙ってくるし、

ソ連はソ連で政府高官が受け取った艦長からの手紙により、亡命の意志を知っていたためにこれまた彼らを撃沈したい。

そんな当時の超大国米ソ両国から睨まれつつ果たして艦長他将校たちは亡命できるのか、

そしてアメリカ側のキーマン、ジャック・ライアンが艦長の行動から亡命の意志を読み取り、

それを周りに信じさせることができるのか…というお話でございます。



ジャック・ライアンは今作に限り、今やただの中年太り脇役野郎と化したアレック・ボールドウィンが演じます。

若い! 細い! 確かにこの頃ならジャック・ライアンみある。気がする。(ジャック・ライアンに詳しくない

ただ今作の主人公は、レッド・オクトーバー艦長であり、

ソ連のみならず世界中にその名が知られているという艦長ラミウスでしょう。

こちらは当時この人以上にそれっぽい人はいなかったでしょう、ショーン・コネリーが渋く名演しております。

最初は普通にロシア語で話してたくせに、途中から突如英語になるという不思議展開にはやや違和感を感じましたが、

まあ細かいことを言っても仕方がないのでそこは目を瞑りましょう。みなさん。

深海で米ソ両国の潜水艦に追われつつ、なんとか亡命を成し遂げたいラミウス他将校の面々と、

偶然レッド・オクトーバーを探知し、プロ根性で撃沈しようと追い続ける米潜水艦「ダラス」、

そして唯一ラミウスの亡命の意志に気付いたCIAアナリストのジャック・ライアンという

主に3つの軍団のみなさんが物語を回します。

ちなみにソ連の追手艦長として若かりし頃のステラン・スカルスガルドも参戦。

今回は脱ぎません。(当然



なにせ昔観た時の感想は一切覚えていないわけですが、今回観て思ったのは、

この「レッド・オクトーバー(ラミウス)とジャック・ライアン」だけにとどまらず、

米潜水艦「ダラス」の存在が物語をとても面白くしているな、と。

始めはたまたま“ソナーオタク”とも言うべきマニアックな軍人が発見してしまった、という偶然から、

当然敵艦として補足して撃沈してやろうと息巻いている彼らですが、

それが途中から「レッド・オクトーバーの近くに行きたい」ジャック・ライアンを乗せることになり、役割が180度変わってきます。

この後の展開含め、その辺で奥行きを見せてくれた辺りがニクいぜと。思うわけです。



お決まりですがレッド・オクトーバーも一枚岩ではなく、どうやら内部に裏切り者もいるらしいということでピンチも続出、

どこもかしこもすんなりとは行かない状況の中、果たして亡命は叶うのか、それとも亡命は罠なのか…!

この手の軍事サスペンス好きの方なら今から観てもしっかり楽しめるのは間違いないでしょう。

昔「冷戦が終わると諜報モノがつまらなくなる」とかよく言われてましたが、

確かにこの頃の冷戦を舞台にした映画を観ると、そういう側面も一つにはあったのかな、という気もします。

もちろん冷戦なんて無い方が良いんですが、こと創作という意味では、舞台として作りやすい良い時代なのかもしれない。

そんなことを思った映画でございました。



【このシーンがいいぜ!】

1回目の「クレイジー・イワン」のシーンかなー。

ベタですが良い緊張感。



【ココが○】

全体的に遊びもなく、テンポ良く進む映画なので、古い割に飽きずにしっかり観られると思います。

やっぱり潜水艦いいよ潜水艦。



【ココが×】

反面、やっぱり絵面的にかなり地味で閉鎖的なシーンばっかり続くので、

こういう映画が好きでないと眠くなりそうだな、という気もしました。

その辺考えても男向けなのかなー。



【MVA】

確かにジャック・ライアンみのある若かりしアレック・ボールドウィンでしたが、とは言え主役というほど立ってもおらず。

ショーン・コネリーは相変わらず渋くてそれっぽい感じでしたが、でも一番はこの人でしょうということで。



スコット・グレン(バート・マンキューソ中佐役)



追跡する米潜水艦「ダラス」艦長。

ティアドロップ的なでっかいメガネに時代を感じますが、しかしどうしてひじょーにシブい。かっこいい。

この人は悪役が多い気がするんですが、こういうシブくて良い役はたまりませんね。

特に後半の見どころ(ネタバレになるので言えない)は最高でした。




映画レビュー653 『フォレスト・ガンプ/一期一会』


〈突然プチレビューコーナー〉

続けて今回も一つ観終わったのでプチレビュー。



[デアデビル(シーズン1)]

マーベルヒーローモノの連続ドラマ。舞台はアベンジャーズ(1)後のニューヨーク・ヘルズキッチン。

そのヘルズキッチンにはびこる悪を倒す、昼は弁護士・夜はクライムファイターという盲目の主人公が「デアデビル」。

ちなみに「ヘルズキッチン」とはニューヨーク市の中のマンハッタン区の中の一区域とのことで、

言ってみればさいたま市の大宮区の桜木町だけを守るヒーロー、みたいな感じ。

若干「雅楽戦隊ホワイトストーンズ」を感じさせますね。札幌市の白石区のみ守る愛の戦士的な。



アベンジャーズ」後の世界ということからもわかる通り、映画とは(今のところ)直接はつながらないようですが、

世界観としてはMCUと共有しているお話のようで、あちらは宇宙を股にかけた戦い、

こちらはより一般市民に近い戦いという感じ。

「ヒーロー」であって「スーパーヒーロー」ではありません。

敵もどちらかと言うとヤクザとかマフィアとかそっちに近い、一般的な悪いヤツ。

腕力よりも知力で追い詰めてくる感じで、そこが面白かった。

全体のイメージはまさに(あちらはDCですが)「ダークナイト」シリーズのような、

とにかく暗いダークヒーローモノのイメージ。

日中のシーンなんてほとんどないですからね。事務所で乾杯の時ぐらい電気つけろや、ってぐらい常に暗い。

そんなヒーローモノではありますが、弁護士という昼の顔も相まってややサスペンス風な味付けもあり、

全体的に大人向けでとても見応えのある、重厚なドラマでした。すごく面白かった。

悪役がヴィンセント・ドノフリオにボブ・ガントンと、映画好きにはたまらないキャスティングなのも嬉しい。

オープニングムービーのセンスも抜群。ドッドッ ドッドッ。

最終的には★9あげていいのではないかなと。

これがドラマで作れちゃうっていうのは…日本とアメリカの格の違いみたいなものを感じざるを得ません。

シーズン2も楽しみです。



ちなみに、他にもマーベル系の連続ドラマとして「ジェシカ・ジョーンズ」「ルーク・ケイジ」「アイアン・フィスト」と続き、

これらが一堂に会するアベンジャーズ的な「ディフェンダーズ」というドラマにつながるとのことです。

これまた楽しみ。てかマーベルはドラマも作りがうまくて金儲けに余念がないな!!



ということで長くなりましたが今回の本題。

またも出ました今さら初鑑賞シリーズ。ようやくですよ。ようやく観ました。

これまた配信終了が近いので観ただけで、トム・ハンクスが続いたのはたまたまです。



フォレスト・ガンプ/一期一会
Forrest Gump
監督ロバート・ゼメキス
脚本エリック・ロス
原作ウィンストン・グルーム
出演トム・ハンクス
サリー・フィールド
ロビン・ライト
ゲイリー・シニーズ
ミケルティ・ウィリアムソン
音楽アラン・シルヴェストリ
製作国アメリカ
公開1994年7月6日 アメリカ
上映時間142分
フォレスト・ガンプ










【あらすじ】

バスを待っている青年、フォレスト・ガンプ。

同じくバスを待つ女性にチョコレートを勧めながら、自らの半生を語り始める。



【総評】★★★★★★★★☆☆(★8)


これまたファンタジックなヒューマンドラマ。童話っぽい。


やや知的障害らしい主人公フォレスト・ガンプが、自らの半生を語るテイで幼馴染・ジェニーとの出会いや、

軍隊に入隊後に出会った親友・ババや上官であるダン中尉とのアレコレ、そして除隊後のいろいろを語り、

それらを前フリにした後、今現在に戻って…というお話。

これまた「ターミナル」同様、お話としてはややファンタジーっぽい部分があり、「ちょっと色を付けた伝記」みたいな感じ。

そんなうまく行くかよ、みたいなのが結構出てきますが、逸話として面白くする分それも当然な気もするし、

良い意味で絵本のような、童話のような優しさのある素敵な物語だと思います。



この物語の面白いところは、実在する人物や現実の時間軸とリンクしているところ。

「幼少期に家に泊まりに来たお客さんがプレスリーだった」とか、

「有名人になってテレビに出たらジョン・レノンが一緒にいた」とか、その他アメリカ大統領との合成も何度か登場する感じで、

そういった現実とのリンクでちょっとした楽しみを加えてくれるのがなかなか秀逸。



知的障害ながらも優秀な身体能力と、親しい人にはどこまでも尽くす優しさが起こす“奇跡”の数々は、

最初に書いた通りややファンタジーっぽさはありつつも、嫌味のない面白さと優しさに溢れていて、

ナルホドこれは確かに良い映画だね、と。

核となる幼馴染・ジェニーとのお話で芯が一本通っているのもわかりやすくていいと思います。

ただ、「良い映画だな」と飽きずに楽しめはしましたが、そこまで突き抜けてよかったな、

感動したな…とまでは行かなかったんですよね。なんでかよくわかりませんが。

やっぱりちょっとファンタジーだったからかな…。

そっちに染めきるならいいんですが、やや偽善を感じないでもないリアル風ファンタジーという感じで、

ちょーっとどっち付かずな気もしました。



あと、全体的になーんかどっかで観たことあるような気がして考えてたんですが、

話の流れ的に「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」にすごく似てます。

もっともこっちの方が先なので、「ベンジャミン・バトン」が似てる、と言うのが正しいでしょう。

奇想天外な人生を歩み、でも心には一人の女性を思う、という。

なので、(本当に今さらなアドバイスですが)これから観るぞ、という人はああいう映画だと思っておけば間違いないです。

ややファンタジーな一人の半生を描いたヒューマンドラマというか。



一つ思ったのは、ジェニーの心情をもっと観たかったな、ということ。

もちろん、「フォレスト・ガンプ」としてはこれで良いんだと思います。

が、ジェニーの人生もまたかなり起伏に富んでいたようなので、彼女中心の物語も観てみたかったですね。

彼女が生きていく中で、ガンプをその時その時でどう見て、どう思っていたのか。

「ガンプ目線」で言えばこの映画の内容で十分なんですが、スピンオフ的に彼女側の物語も観たかったなぁ、と。

彼女の行動は、理解はできるんだけども、ちょっと思うところもあったので。



ということで良い映画ではありましたが、そこまで心に残る一本とまでは行かなかった、と思います。



【このシーンがいいぜ!】

オープニングの羽のシーンはエラいお金がかかってるそうですが、まあ驚きましたね。

どうやって撮ったんだこれ、って。いいシーンでした。



あとベトナムから帰国後にジェニーと再会するシーンも良かったんですが、一番は…

やっぱり隊長(ダン中尉)が最も言って欲しいセリフを言った場面、かな。あそこは泣いた。



【ココが○】

やや長めの映画ですが、さすがに現実の歴史も絡めつつの半生なので、盛りだくさんであまり長さは感じません。

観る前はもっと「ドヒューマンドラマ」なのかなと思ってましたが、意外と軽くて笑える場面もあって、

観やすい映画だと思います。



【ココが×】

特にこれと言って何がダメ、っていうのはなかった気はするんですが、

でも思ったよりも感動できなかったんですよね…。なんでだろう。

そもそもガンプにあんまり感情移入できなかったからかも。



【MVA】

トム・ハンクスが細い! 若い!

でもこの頃のトム・ハンクスってあんまり好きじゃないんですよね。今は好きなんですが。

だから感情移入できなかったのかも。ちょっと訛りの表現も強調しすぎな気もして。



ということで…消去法ですがこの人かな。



ロビン・ライト(ジェニー・カラン役)



ガンプの幼馴染。

コングレス未来学会議」で「フォレスト・ガンプの頃は輝いていた」と言われたロビン・ライトですが、

僕が勝手に予想していたキラキラ純粋な女性という感じではなく、良い意味で今のロビン・ライトのイメージに近い、

紆余曲折ある難しい役どころをしっかり演じていたように思います。

途中はゲッソリ見えてあんまり魅力的に感じなかったものの、最終的にはすごくスッキリとしたいい顔になってたし、

さすが評判になっただけあるな、という感じ。




映画レビュー652 『ターミナル』


〈突然プチレビューコーナー〉

海外ドラマのために入ったNetflixということで、一応観終わったものについてはプチレビューを

ちらりと載せていこうと思います。

本気で書くのは面倒なのでやりません。第1回は世間的にエラい評判のコチラ。



[ストレンジャー・シングス 未知の世界]

80年代の田舎町で起こる、少年の失踪事件と超能力少女とその他諸々。

ジャンルとしてはSFホラーサスペンス的に言われてますが、そこまでホラー要素はないので割と安心。



とにかく80年代らしい、少年たちが活躍する物語がイイ。

スタンド・バイ・ミー」とか「グーニーズ」とかああいう感じの世界観。シンセメインの電子音系な音楽がこれまたイイ。

郷愁を誘う雰囲気の上に今っぽい演出がかぶさる、今の時代らしい意欲的なドラマ。

謎がつながっていく中盤の盛り上がりはイッキ見を誘うものの、終盤やや尻すぼみ感あり。

でも面白かったなー。全8話で観やすく、展開も早いのがすごく良かった。

ウィノナ・ライダーが熱演してます。あとバーバラの扱いがひどい。

敵の存在が完全にファンタジーで僕が好きな方向では無かったものの、全体的にはかなり満足。

★8と言ったところでしょうか。



さて、本題の映画。

これまた観たかったものの観逃していたタイトル。前回同様、もうすぐ配信終了とのことで観ました。



ターミナル
The Terminal
監督スティーヴン・スピルバーグ
脚本サーシャ・ガヴァシ
ジェフ・ナサンソン
原案アンドリュー・ニコル
サーシャ・ガヴァシ
出演トム・ハンクス
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
スタンリー・トゥッチ
ディエゴ・ルナ
ゾーイ・サルダナ
音楽ジョン・ウィリアムズ
製作国アメリカ
公開2004年6月18日 アメリカ
上映時間129分
ターミナル












【あらすじ】

JFK空港に降り立ったクラコウジア人のナボルスキー。

彼がアメリカに入国する直前、クラコウジアではクーデターが起こり、彼のビザは使用できなくなってしまったため、

空港での待機を余儀なくされる。

いつまで続くかもわからない空港への足止めが“生活”になってしまった彼は、

次第に空港で働く職員たちと親しくなっていくのだった。



【総評】★★★★★★☆☆☆☆(★6)


ちょっとファンタジーが過ぎる。


話によると、実際に空港に住んでいた人の話を元に…インスパイアってやつですかね。インスパイア系。二郎的な。

そういう元ネタがありつつの人間ドラマ。



主人公のビクター・ナボルスキーは、ロシアに近いと思われる架空の国「クラコウジア」という国の人で、

ある目的のためにニューヨークにやってきたものの、ちょうど彼がニューヨークに向かっている最中に

お国ではクーデターが勃発してしまい、事実上政府が消滅した国からやってきた人物ということで、

一時的に入国不可の措置を取られます。

一応、クーデターが治まれば戻れるようですがその気配はなく、彼はやむなく空港で

「出ることも戻ることもできない」状態で留め置かれます。

使えるお金(ドル)も持っておらず、食事すらままならない状況ながら、持ち前の勤勉さと真面目さを糧に空港での生活に順応し、

次第に空港で働く人々と知り合い、助けてもらいながら果たして彼はニューヨークに行けるのか、そしてその目的は…というお話。



いかにもスピルバーグらしい、ヒューマニズムっぽいお話って言うんでしょうか。

最初は「何だコイツ」に始まり、次第に良い人っぽいぞということで味方が増えていって…的な。

最初っからわかりきってる感じではあったんですが、ただまあやっぱりここもスピルバーグらしいっちゃーらしいですが、

やや鼻につく感じがありつつも飽きさせずに最後まで見せ切る技術はさすが。

空港ということでこれまたいかにもなCAさんとのほんのり色恋を挟む辺りもベタなんですが、

このCAさんがキャサリン・ゼタ=ジョーンズ演じる“それっぽい”だめんず・うぉ~か~的女子ということで、

キャラが立っていたのでそこそこ楽しめたように思います。



が。ががが。

一応ジャンルは「ドラマ」にしましたが、しかしどうにも全体的にファンタジーっぽすぎて好きではないです。ハッキリ言って。

まず主人公のクラコウジア人を演じるのがトム・ハンクスなんですが、芸達者ではあるものの、

さすがに「英語喋れない」キャラはキツイ上に、劇中どれだけ時間が経っているのかはっきりわからないものの、

結構早い段階で英語を理解&話し始めるので、じゃあその喋れない設定いらなくね? 感がすごい。

まあそこはいいですよ。大した問題じゃないので。

でもやっぱり…なんか全体的にファンタジーなんだよなー。

同僚の結婚シーンとか、一人で作り上げたアレとか、ヤギのくだりでお店に貼られるコピーとか。忘れましたが、他にも諸々。

現実では起こり得ないような極端な一体感みたいなものにすごくファンタジー臭さを感じたんですよね。

伝えにくい感覚なんですが。



ベースを見ても、ありがちな敵役を配置して、ありがちな(他人の)幸せを挟み、

ありがちな自己恋愛の帰結に、ありがちな危機という…。

思うに、どれもどっかで観たことあるような展開で、それはそれで仕方がないものの、

これまたスピルバーグの演出がすごくオーソドックスな、言ってみればファミリー向けの毒のないものなので、

まったくと言っていいほど引っかかるものが無いんですよね。

これは(まったく根拠のない意見ですが)2000年代の大衆向け映画によくあるケースな気がする。

この頃ってなんかもう本当にお決まりの流れに沿った映画ばっかりで、この映画も「ああまたこういう感じか」って

どっかで思っちゃったんですよね。

空港に暮らす、っていう根幹の部分は比較的オリジナリティがあるのにもかかわらず。



もう終盤近くの掃除爺さんの決めゼリフなんて反吐がでましたね。ヘドが。ドヘですよ。業界用語的に言えば。

「アレ言うんじゃねーぞ言うんじゃねーぞあーやっぱ言ったよ」ってガッカリ感がすごかった。

これをここで言う、どうだ前フリ効いてるだろ! っていうドヤ顔感がひどい。効きすぎなんじゃボケ。

あのセリフ一つを持って、この映画のベタさ加減、お腹いっぱい感が見て取れた気がします。

基本的には良い映画なんですけどね…。

ただ、なんかトム・ハンクス×スピルバーグの「観る前からそれっぽい」印象をそのままやってくれた感じが、

どうにも予想外な楽しみを与えてくれない感じで、ぶっちゃけ今さら観るほどの映画じゃねーな、というのが正直な感想。



ジャン・ロシュフォール主演の「パリ空港の人々」の方がまだここまでベタじゃなかった気がするんですが、

でもジャン・ロシュフォールが出てた以外に内容まったく覚えていないのでアテになりません。

お恥ずかしい。



【このシーンがいいぜ!】

ううむ…強いて言えば、ラスト近辺の“目的地に着いた”時。



【ココが○】

テンポも悪くないし、飽きずに観られる感じはさすがだと思います。

僕は内容が(精神的に)ファンタジー過ぎてダメだと思いましたが、多分そう思う人は少ない気がする。



【ココが×】

ということでファンタジーじゃねーか、というお話全般。

一言で言えばリアリティの無さ、でしょうか。

それを感じたポイントはたくさんありましたが、結局は見せ方の問題のような気もする。

ディズニーのショーのような、ミュージカルのような多幸感の演出みたいなのがすごく気になった。

まあ、こちとらひねくれ者ですからね。スイマセンね。



【MVA】

流石に「英語が話せないトム・ハンクス」無理があるぞ、ということでこちらの方にします。



キャサリン・ゼタ=ジョーンズ(アメリア・ウォーレン役)



主人公といい感じになる(多分)ドスケベCA。

この頃のキャサリン・ゼタ=ジョーンズいいよな?。美人だけどなんか憎めない感じがあって、エロそうで。

調べたら「オーシャンズ12」と同じ年の映画ということで、なるほど納得。

最近はちょっとお歳を召してしまわれた感が…残念。




映画レビュー651 『クローバーフィールド/HAKAISHA』


去年だったでしょうか、「10 クローバーフィールド・レーン」の予告編を観て、ちょっと観てみたいぞと思ってました。

で、直接的なつながりはないようですが、その前作にあたるこの作品がNetflixにあったのでいつか観るかな、と思ってたら

もうすぐ公開終了とのことで、また急いで観たわけです。

ちなみにこの後2本、同様に公開終了間近のために強制鑑賞を(自主的に)迫られた映画が続きます。

ぶっちゃけ、期限があったほうが動機になるので助かるんですけどね。



クローバーフィールド/
HAKAISHA
Cloverfield
監督マット・リーヴス
脚本ドリュー・ゴダード
出演マイケル・スタール=デヴィッド
オデット・ユーストマン
マイク・ヴォーゲル
T・J・ミラー
ジェシカ・ルーカス
リジー・キャプラン
音楽マイケル・ジアッチーノ
製作国アメリカ
公開2008年1月18日 アメリカ
上映時間85分
クローバーフィールドHAKAISHA












【あらすじ】

日本へ栄転することとなったロブの送別会の最中、突如として謎の巨大生物が現れる。

逃げる最中、気まずい別れを終えた直後の彼女・ベスから「助けて」と電話を受けたロブは、彼女の住むマンションへ向かう。



【総評】★★★★★☆☆☆☆☆(★5)


面白くないし気持ち悪いし。


いわゆるモキュメンタリー、フェイクドキュメンタリーの一種で、例の「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」みたいな、

「素人がビデオカメラで収めた映像」で進むパニック映画。

ちなみに「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」は未見なので間違ってたらごめんよ。



一応、設定上は「国防総省が事件後に回収した記録映像」を流すという体になっていて、

その記録映像の暗号名が「クローバーフィールド」らしいです。

最初に「ドコドコでこの映像は回収され…」的なテロップが出るんですが、

まずここでいきなりネタバレになっているというのがどうなんだと思いつつ、

とは言えまあ本編良ければ良いでしょうよ、と観ておりました。



開幕はイチャつくリア充カップルの腹立たしいプライベートビデオからスタート。

後でわかりますが、この二人が主人公のロブとベス。

で、このプライベートビデオに上書きする形で「転勤するロブへのお別れメッセージの録画」を進めていたところ、

謎の巨大生物がニューヨークを襲い始め、そのまま記録も続けていく…という流れのお話になっています。



まずこの導入のお別れ会の模様が結構長くてですね。

全体的には短い映画なのにこのパートが長いのはくだらねーな、と素直に思いました。

もうね、ほんとどうでもいい話が続くんですよ。

ヤったのか!? ベスとヤったのか!? ヤったー(ニヤニヤ)みたいな。マジでどうでもいい。

登場人物に感情移入させたい…のはわかるんですが、

全然つまらないし(最初に書いた通り)オチも見えてるからハラハラもしないし。

この時点ですでに結構飽き飽きしていたんですが、ついに登場謎の巨大生物でワクワク…かと思いきやこれもまたイマイチで。



どうしても(この映画の方が数年前に公開されてはいますが)モロモロから「シン・ゴジラ」と比較してしまうわけですが、

この映画は100%「素人撮影映像」の映画なので、基本的に現場にいる巻き込まれた一般市民のお話しか出てきません。

だもんで全体を俯瞰する情報がほとんどないんですよ。

今政府がどう動いていて、軍がどういう対処をしようとしているのか、巨大生物の正体は…などがほぼ描かれず、

断片的に姿を見たりテレビを見たりで若干の描写はあるものの、ほぼ状況がわかりません。

だからこそ主人公たちと同じ気持ちで観られる…とも言えますが、でもモキュメンタリーとわかってる以上は

ストレスでしか無いよな、と思うわけです。

もうちょっと状況教えてくれよ、と。

逃げてるから当たり前なんですが、巨大生物も映像で明確に捉えてくれないのでどういう姿形なのかもよくわからないし。

この辺は低予算故の工夫なのかもしれませんが。



まあ、それでもその辺はまだ良しとしましょう。

一番良くなかったのは、やっぱり「一般市民が撮った記録映像」でしかない、というモキュメンタリー的な手法。

当然逃げ惑いながらの撮影なので、とにかく映像がひどい。

それだけリアルなのかもしれませんが、映像自体の質がひどく低いんですよ。もちろん狙って低いんです。

画面揺れがとにかくひどくて、久々に映像で酔いました。

表現がグロいからとかではなくて、純粋に映像に酔って気持ち悪くなりました。

PS版ドラクエ7以来やで。わしが映像で酔ったのは。(知らんがな

※ちなみにそのせいでドラクエ7は最初の町から出ずに終了



簡単に言うと、「逃げ惑う数人が撮影した映像をひたすら見る」だけの映画で、話の帰結として特に何かグッとくるようなものもなく、

ただただ画面揺れのひどいパニック映画を観ているだけ、という映画です。

それだけ確かにリアリティはあったかもしれませんが、でも「映画です」と公開している以上、

モキュメンタリーのみをウリにして引っ張るのはいささかキツイんじゃないか、と思います。

作り物としてもっとリアリティを持たせる手法はいくらでもあるはずで、

できればそういう形で物語をもっと立体的に観せて欲しかったと思いますが、

でもまあこれはきっと低予算が一番の理由なんでしょう。



それと。

元も子もないようなことをいくつか言いますけどね、そもそも「記録に残さないと」って使命感に燃えている

ジャーナリストとかならまだしも、ただ逃げるだけの人間がここまでつぶさに録画する、っていうのもどうなのよ、と。

普通こんな余裕ないですよ。マジ逃げするなら。疲れるだけだし。

「持ってるだけ」の映像ではないですからね。

変なのに襲われたらカメラ武器にしてでも逃げるでしょ。普通。

それとちょくちょく「上書き前のリア充映像」が挟まりますが、今のビデオカメラでそのまま続きから撮れずに

少し飛ぶ、なんて精度の低いカメラ無いでしょ?

現実とのギャップで印象づけたかったのかもしれませんが、道中でちょくちょくあのリア充映像を挟む必要があるのか。

あとあんな連続録画できるほど電池保つの?

バッテリー何本も持ち歩いてたわけ? ハッド(撮影者)は。



ってな具合に、モキュメンタリーとして押し通すには詰めが甘い部分も散見され、いろいろと残念でした。

ただ「10 クローバーフィールド・レーン」はこういう手法ではなさそうだし、

なんと言ってもジョン・グッドマンが出ているのでそのうち観ます。



【このシーンがいいぜ!】

強いて言うなら、マリーナの劇中最後のシーン、ですかねぇ。



【ココが○】

「謎の巨大生物から逃げる」コンセプトそのものは悪くないと思うんですよ。

ただ映像がひどいのと、途中から偽善行動になっちゃってるのがね…。



【ココが×】

一番良くないのはやっぱり映像かな。

さして面白くない話をとにかく揺れがひどい映像で観続けなければいけない、というのはなかなかに苦痛でした。



【MVA】

ぶっちゃけ誰でも良いんですけどね…。



オデット・ユーストマン(ベス・マッキンタイア役)



ヒロイン。

大体こういう低予算映画のヒロインってルックス的に微妙なんですが、この人はそこそこお綺麗だったので○。

反面、ハッドがお熱のマリーナは性格も悪そうだしかわいくもないしで、なぜハッドがお熱なのかサッパリでした。




映画レビュー650 『トレインスポッティング』


今さら初鑑賞シリーズ。今年はNetflix(おれ)元年ということで、このシリーズが増えそう。

前の会社の同僚にオススメされていたこともあり、元々観たいとは思っていたんですが、

この前劇場に観に行った「ナイスガイズ!」の上映前に続編の予告編が流れたので、

こりゃーそろそろ観ておかないとな、ということでチョイス。



トレインスポッティング
Trainspotting
監督ダニー・ボイル
脚本ジョン・ホッジ
原作アーヴィン・ウェルシュ
出演ユアン・マクレガー
ユエン・ブレムナー
ジョニー・リー・ミラー
ケヴィン・マクキッド
ロバート・カーライル
ケリー・マクドナルド
音楽
製作国イギリス
公開1996年2月23日 イギリス
上映時間94分
トレインスポッティング










【あらすじ】

ヘロイン中毒のレントンは、今度こそヘロインを止める! と言いつつやめられず、

仲間たちとダラダラクスリまみれの日々を送っていた。



【総評】★★★★★☆☆☆☆☆(★5)


どこが面白いのかサッパリ。


不況にあえぐスコットランドで、日々ドラッグをやってはダラダラと過ごす男たちの日々を綴った…なんでしょね、これは。

青春映画なのかな。一応。

ドラッグやったり、ドラッグやめたり、ナンパしたり、泥棒したり。

そんな堕落した若者たちの日常のアレコレ。



なにせ世界的に大ヒットした映画なので、「いつか面白くなるんだろうなこれ」と思いながら観てましたが…

結局最後まで何が面白いのかサッパリわからず、なんだこれクソつまんねーじゃねーか、という感想。

もーね、ただのヤク中がウダウダしてるだけなの。まじで。

90分ちょっとの短めの映画ですが、もう全然長く感じた。つまんなかったから。

ラストにそれなりの出来事があるものの、それもちゃんと前フリがあるし、別に「えー!」ってびっくりするような話でもなく。

結局何が言いたいのかよくわからないまま…。

こういう怠惰な日常を送る若者たちがいるよ、彼らは彼らなりに人生を考えてるんだよ…って感じなんですかねぇ…。



煽りでも何でも無く、前の同僚をはじめこれが「めちゃくちゃ好きだ!」って人は何が好きでどう響いたのか、

お酒でも飲みながらじっくり聞いてみたい。

理解力はさておき、少なくともそれなりに映画を観ている自負がある自分でも、何一つ引っかかるものが見出だせませんでした。

まあ、そもそも僕自身、基本的にダニー・ボイルの映画があまり好きではないというのもあるとは思うんですが。

序盤のトイレに潜り込むくだりなんて、表現として面白いのは確かだけどいらんでしょ。

ああいう変わったことしてんだろ? 的な監督のドヤ顔が見えるシーン大っ嫌い。



なぜにあれほどまで大ヒットしたのか…。本当にわからない。

ぜんっぜん面白くないんですよ。話。特に波があるわけでもないし。

これほどまで書くことのない映画も珍しい。ホントにラリってウダウダしてるだけなんだもん。

人によってはこの世界がかっこいい、のかなぁ。

ドラッグに親しんでいるイギリス&スコットランドの若者が観たら、

「そうそうロシア製は来るんだよなウヒョー!!」ってテンション上がるんですかね。

そもそも僕が(必ずしも内容的にそうとは言えないんですが)ドラッグ賞賛系の映画自体好きではないせいもあるんだとは思いますが。

もっと若い頃に観たら違ったんだろうか…いやー、でも昔からこういう性格だし多分若い頃に観てもつまらなかったと思うな…。

憧れるような要素もまったくなかったし、登場人物みんな好きになれなかった。

ある意味で狐につままれたような感覚というか、「えっ、何でこれでこんな伝説的な映画になってんの?」って

不思議でしょうがない感じで終えました。



ただ。

終わり方が終わり方だったので、続編は少し気になりますね。どういう話になるのか。

さすがに40過ぎてもまたラリってウダウダだけの映画になるとは思えないし。

劇場に行こうとは思えませんが、ソフト化されたら観たいとは思います。



【このシーンがいいぜ!】

レントンが救急車で運ばれるくだりは良かったですね。「おお、なるほどこんな感じなのか」って可視化されるようで。



あとはケリー・マクドナルドのおっぱい。すごい綺麗だった。

観終わってから戻してもっかい観たもん。



【ココが○】

唯一良かったと思ったのは、劇伴。

音楽の使い方がさすがイギリス映画らしいというか、チョイスもタイミングもかっこよかったですね。

あとは映画のテンポ自体は良かった気がする。面白くなかったからそれでも長くは感じたけど。

あとケリー・マクドナルドのおっぱい。



【ココが×】

物語が面白くないに尽きる。



【MVA】

ご存知ユアン・マクレガーはこれが出世作とのことで、確かに「マジでヤク中なんじゃね?」的なリアルな演技は良かったんですが、

ただユアン慣れしてる今となっては、相変わらず「普通にユアン」なので他と比べるとやっぱり地味。



んで、おっぱいが綺麗でおなじみのケリー・マクドナルドがすごくかわいくてですね。

彼女にしたいと思いつつ、登場シーンが少なすぎるので却下。もうちょっと出して欲しかったなー。

続編の予告にもチラッと出てたので期待。まだおっぱいは綺麗なのか。(問

人が良さそうな感じがにじみ出ていたスパッド役のユエン・ブレムナーにしようかなとも思いましたが、

一番印象的だったのはこの人でしょう。



ロバート・カーライル(ベグビー役)



バイオレンス野郎。

やっぱり僕の中ではロバート・カーライルと言えば「フル・モンティ」なので、もうぜんっぜん違うバイオレンスさにビックリ。

あっちではあんなダメ親父だったのに。

当たり前っちゃー当たり前ですが、役者やで。




映画レビュー649 『ROOM237』


“怪作”として話題になっていたのももう(日本では)3年前、ですか…。そりゃあ歳も取るわ。

ひじょーに観たかったこちらの映画なんですが、やっぱり内容的にマニアックなので観る機会もなかったところ、

これまたNetflixにあったので喜び勇んで観た次第です。



ROOM237
ROOM 237
監督ロドニー・アッシャー
脚本
出演
音楽ジョナサン・スナイプス
ウィリアム・ハットソン
ザ・ケアテイカー
製作国アメリカ
公開2012年 アメリカ
上映時間103分
ROOM237










【あらすじ】

スタンリー・キューブリック監督作品「シャイニング」には、いくつかの隠されたメッセージが込められていた…。

“シャイニングマニア”による、知られざるシャイニングの秘密に迫るドキュメンタリー。



【総評】★★★★★★★★☆☆(★8)


陰謀論的面白さは酒の肴にもってこい。


僕の中で、最初に観た時はイマイチだったものの、後々「あの映画やっぱすごかったな」と記憶に残る映画の二大巨頭が

ブレードランナー」そして「シャイニング」なんですね。知らなーよ、って話でしょうけどそうなんです。

その一つ、「シャイニング」に込められているという“謎”を、シャイニング及びキューブリック監督マニアの5人が

解き明かす…というドキュメンタリー映画。

一応「ドキュメンタリー映画」とは言ってますが、字面のイメージ通りの、

事実を追っていくようないわゆる「普通のドキュメンタリー映画」という感じではなく、

なんて言うんですかね…飲み屋で「シャイニングはこういう意味があるんだよすげーだろ?」って話を延々と聞かされる感じの、

良い意味で「ドキュメンタリー映画って言うほど高尚じゃないバカな映画」という印象。

こういう例えを出しちゃう時点でオッサン度合いがバレる悲しみに包まれつつも例えるなら、

あの一時期大流行した「磯野家の謎」のシャイニング版、という感じ。

そう、「シャイニング家の謎 in the MOVIE」です。言わば。



語られている内容は、ナルホドそれっぽいというようなものから、いかにもあり得ない妄想っぽいものまで多種多様。

例えば(この逸話自体は有名らしいですが)原作(スティーブン・キング版)では主人公一家の乗る車は赤いワーゲンだったのが、

映画(キューブリック版)では黄色いワーゲンに変更になっていて、劇中で赤いワーゲンは事故に遭っている描写があり、

あれはキューブリックが「キングのアイデアは使わないぜ」と宣戦布告した意味がある、とか。なるほどありそう。

他には、壁に貼られているスキーヤーのポスターが実はミノタウロスなんだ、とか。これは眼科行きましょう。今すぐ行きましょう。

そんなまさに玉石混淆な“謎”の数々を、「シャイニング」を始め著作権上問題にならないのか不安になるレベルで

あらゆるキューブリック映画のカットを挟みながら語り進める映画になっています。

ちなみにオープニングで「ぬ!? この映画トム・クルーズ出てくるの!?」と一人驚いていたんですが

「アイズ・ワイド・シャット」の映像でした。

まだ観てないのでね。すみませんね。



この映画でマニアたちが語る大前提としては、

「キューブリックは無駄なものを一切映さない」「キューブリックに編集ミスなどあり得ない」

「キューブリックは色々なものをメタファーとして盛り込む監督だ」というようなもので、

大部分が「考え過ぎ」、ちょっと行き過ぎちゃって頭おかしいんじゃないのと言いたくなるようなご意見でしたが、

それはおそらく本人たちもわかって面白がって言っているものなんだろうと思います。

それこそ昔流行った心霊写真のような、よく見ると人間の顔に見えなくもないけど普通の石だよね?

みたいな眉唾ものの説を大真面目に語る、そのこと自体がネタとして面白い映画というか。

それこそよくある陰謀論のように、「エリア51には宇宙人がいるんだぜ」みたいな話をネタとして消化して楽しむ、

そういうスタンスで観る分にはとても面白い映画だと思います。



この映画で例示されるモロモロを、キューブリックご本人がどういう意図で配したのかは今となってはわかりませんが、

僕としてはこれらの“モノ自体”に意味はないものの、こういう極端な捉え方をするマニアたちに良いネタを提供してやろう、

ぐらいの遊び心があったんじゃないかなぁと妄想したりするわけですが、

そういうキューブリック自身の考え方にも思いを馳せる…という意味でも面白かったですね。

もちろん、「うわー、うっかりしてた! 椅子消えてんじゃん!!」もあり得ないことではないと思いますが、

その辺りはキューブリックご本人が故人となってしまった以上、知る由もありません。



映画の性質上、当然ながら「シャイニング」の印象的なシーンが何度も繰り返し登場するんですが、

やっぱり改めて観るとそのどれもが強烈だった記憶も楽しいというか…「そうそう、このシーンねー!」みたいな、

懐かしのテレビ番組を振り返る番組を観る、みたいな楽しさも映画らしくない新鮮な感じで面白かったですね。

「仕事ばかりで遊ばない」出るか出るか?…出たー!! みたいな。

最高です。



ちなみに、鑑賞後にちらっと検索をかけたところ、「キューブリックを使って金儲けを企む許されないカルト映画だ!」みたいな

大変生真面目な日本人キューブリックマニアの方のブログも目に入りました。

まあ、仰ることは正論だしとても良く分かるんですが、ただ…なんというか受け手に遊び心がないのがもったいないな、と。

好きだからこそ頭に来ちゃうんでしょうし、それもまたよくわかるので仕方がないとも思いますが、

逆に言えば僕のようなキューブリックマニアでもない一般人としては、「シャイニング」を観た経験を活かしてより楽しめる

こういうサブカル的ネタ映画というのはとても新鮮で面白かったぞ、というのは書いておきたいと思います。



噂では、イギリスを始め世界各地にはシャーロック・ホームズのマニアたち、

いわゆる“シャーロキアン”の方々が集って語り合うサロンみたいなものがあるらしいんですが、

きっとこの映画みたいなノリなんじゃないかな、と思うんですよ。

本当っぽい話からネタっぽいものまで、タネを見つけてはワイワイ語って楽しむ、そのこと自体が娯楽になるという。

これはまさにそういう世界を疑似体験する映画だと思うんですよね。

そういう意味で、確かにキワモノではあるものの、とても楽しませてもらえたので大満足でした。

なかなか普通のドキュメンタリーではここまで集中して楽しめるものは少ないだけに、余計に儲けものというか。

「シャイニング」を観て何か引っかかった人は観てみるといいかもしれません。

ありきたりだけど「シャイニング」自体、もう一回しっかり観たくなったなー。



【このシーンがいいぜ!】

映画が映画なので、該当するシーンは無いかなと。

良かったのは全部シャイニングのシーンです。当然ながら。



【ココが○】

通常再生と逆再生を重ねる話とか、まあよく思いつくよねと思います。

こういうのは真偽はどうでもよくて、「こういう説があるよ」っていうのを見せて、

それが面白ければもうそこで完結、でいいと思うんですよ。

これほどまでそういう楽しみを消費させてくれる映画もないな、と言う意味で貴重な映画だし、

それだけの度量を持つ「シャイニング」という映画の凄さもまた改めて感じましたね。



【ココが×】

他人の褌で金儲けしているのは事実なので、そこに対する批判はあって然るべしでしょう。

また、当たり前ですが「シャイニング」を観ていないとまったく意味のない映画なので、

楽しむためには都合4時間程度は必要という、ある意味ではハードルの高い映画ではあります。



【MVA】

これまたこういう映画だし、キューブリック映画のシーンから流用される人たち以外に登場する人物がいないので、

該当者無しということで。

あえて言うなら当然、ジャック・ニコルソンでしょう。やっぱシャイニングでのあの人、すげーわ。

映画自体では奥さんもすごかったけど、端的に切り取って見せる分にはやっぱりジャック・ニコルソンが強烈。

もはや顔芸の域。




映画レビュー648 『ギャング・オブ・ニューヨーク』


今年は今のところ順調に消化してきているので、可能な限り平日更新もやっていこうと思っております。



さて、そんなわけで本日の映画。

最近2時間を切る短めの映画ばっかり選んじゃうので、このままじゃバカになっちゃう!

と根拠のない謎の焦りを感じ、少し長めの映画をチョイスしました。

ディカプリオの映画久しぶりだなー。



ギャング・オブ・ニューヨーク
Gangs of New York
監督マーティン・スコセッシ
脚本ジェイ・コックス
ケネス・ロナガン
スティーヴン・ザイリアン
原案ジェイ・コックス
出演レオナルド・ディカプリオ
キャメロン・ディアス
ダニエル・デイ=ルイス
リーアム・ニーソン
ブレンダン・グリーソン
音楽ハワード・ショア
エルマー・バーンスタイン
主題歌U2
「The Hands that Built America」
製作国アメリカ・ドイツ・イタリア
イギリス・オランダ
公開2002年11月9日 アメリカ
上映時間167分
ギャング・オブ・ニューヨーク















【あらすじ】

19世紀初頭、ニューヨークの“ファイブ・ポインツ”と呼ばれるエリアでは、

いくつかの組織による熾烈な縄張り争いが繰り広げられていた。

ある日、その中でも特に強大な二つの組織“ネイティブ・アメリカンズ”と“デッド・ラビッツ”の雌雄を決する戦いの結果、

デッド・ラビッツのリーダー・ヴァロン神父が、ネイティブ・アメリカンズのリーダー・ビルに殺されてしまう。

それから16年、施設に収容されていたヴァロン神父の息子・アムステルダムは、

未だファイブ・ポインツのボスとして君臨するビルを殺し、父への復讐を成し遂げようと再びファイブ・ポインツへ舞い戻る。



【総評】★★★★★★☆☆☆☆(★6)


決着の付け方がちょっと…。


タイトルからてっきり1960年代ぐらいの、現代に近い時代のギャングが出てきてドンパチ繰り広げるものだと

またも勝手に想像していたんですが、それよりも全然古い時代のお話で、

どちらかというと西部劇の時代から徐々に近代化の波が押し寄せて来てまっせ的な時代背景感。

古い時代のギャングが、新しい時代へ抗いながら自らのプライドと縄張りと利権を懸けて戦う、大河ドラマのような映画でした。

と言いつつ大河ドラマはちゃんと観たことがないという。ごめんよ。



主人公はディカプリオ演じるアムステルダム君。

幼少期に抗争の末に父親を殺され、その殺した相手に復讐しようと地元に戻り、

その復讐相手の組織に入り込んで気に入られ、寝首をかいてやろうと手ぐすね引いてその時を待ってるぜ、的なお話です。

こうして振り返ると割と既視感のある設定のお話ではあるんですが、たださすがに舞台もしっかり作り込んでいるし、

良くも悪くも日本人としてはそこまで馴染みのある時代ではないだけに新鮮な面もあるので、

こうして字面で感じられるような想像しやすさ、ベタさを感じる映画ではなかったと思います。

3時間弱の長丁場ではありますが、その割に特にダレるようなところもなかったし、さすがにマーティン・スコセッシ監督が

構想に30年かかったと言っていただけのことはある、気合いの入った歴史スペクタクル的な人間ドラマと言っていいでしょう。

なかなか見ごたえがありました。



物語は大きく分けて雰囲気的に(演出上明確に言われているわけではないですが)3部構成になっていて、

第一部がオープニングであるアムステルダムの少年期、第二部がネイティブ・アメリカンズ潜入期、

第三部が(ネタバレ回避のために濁しますが)お楽しみ期、という感じ。

時間配分にして体感で1:6:3というところでしょうか。

まず「概ね面白かったよ」とお断りつつ不満な点としては、この最後の部分、第三部に該当する部分が

ちょっと時間的に物足りなかった気がしましたね。

当然ながらエンディングにつながる部分なので、最も盛り上げて、最も丁寧に描いて欲しいところだったんですが、

時間としては上記体感のようにやや短めに感じられて、バタバタとあっさり最後まで進んでいっちゃう感じがちょっと残念。

また、第二部に該当する部分は、主人公・アムステルダムよりも敵役となるビルの描写に力が入っているので、

結果的にこの映画の主人公もアムステルダムよりビルじゃね? 的な感じがする分、

第三部のアムステルダムのターンの盛り上がりにやや欠ける面があったように思います。

もっとビル見せてくれよかわいいよビルハァハァ、みたいな。かわいくはないんだけど。



そんな感じで、ちょっとだけ力点の置き方、置き場所に不満があったかな、と。

それと最後まで観て思ったのは、結局は「ギャング・オブ・ニューヨーク」というタイトルが示す通り、

最終的にはニューヨークという場所に依拠する物語になっているので、

人間ドラマのようでいてラストは「これがニューヨークの下地にあったんだぜ」みたいな、

場所語りの物語として幕を閉じているところにちょっとノレなかった部分もありました。

これはおそらくアメリカ人目線じゃないとそこに対して熱い思いを抱けないと思うので、

日本人が観た場合にこう思っちゃうのも仕方ないのかな、とは思うんですが。



それともう一点、もしかしたらこれが一番大きな不満だったような気がしますが、劇中終盤、南北戦争の影響が色濃く出てきます。

そのために、映画のエンディングに対する戦争の関与がかなり強くなってしまい、

こっちの(個人的な)期待とは違う形で決着していくところがすごく残念でした。

そりゃないぜ、と。

もちろん、南北戦争が時代の転換点となって、古いギャングが時代とともに云々かんぬんみたいなのもわかるんですが、

個人にフォーカスしたフィクションドラマだったら別に南北戦争をここまで絡めて来なくてもよかったんじゃないの、

という気がしたんですよね。

おかげでちょっと最後の部分でモヤモヤしたものが残ってしまい、もうちょっと気持ちよくして欲しかったな、と思うわけです。



この、「場所に帰結する物語だった」「南北戦争の影響が強かった」ところが、

「個人間の任侠モノ」的な見方をしていた僕にとっては肩透かし感が強く、ちょっと残念に感じられたというところでしょう。

全体的にとても気合の入った大作感がすごかっただけに、余計に残念な気持ちが強く残りましたね。

「勝手にお前がそう思ってただけだろが」と言われればそれまでなんですが。

おそらくは、この辺の捉え方も任侠育ちの日本人とアメリカ人の文化の違いが出てるのかな、

とテキトーなことを書いて終わります。

知らないけどきっとそう。



【このシーンがいいぜ!】

ビルが「久々に」ジェニーを助手に、ナイフ投げの芸を披露するシーン。

なかなか緊張感も思いも見えて、いいシーンでしたねぇ。



【ココが○】

あまりにも自然すぎてまったく意識してなかったんですが、街並み全部セットなんですよね。

とんでもなく金がかかってますね、ホント。

ただ、後半で一部、遠景の時に空があまりにも固定すぎて違和感があった場面もありました。

今だったらきっと空は合成でもっと自然に作るんでしょう。

しかしこれだけのものを室内で作り上げるのは…想像が付かない。



【ココが×】

結局は決着の仕方かなぁ。



【MVA】

時代的に似合わなそうなキャメロン・ディアスがヒロインを演じてましたが、

これが意外と結構頑張っていてなかなか良かったです。

でも「私の中のあなた」でもそうでしたが、元々キャメロン・ディアスってなんか「頭の悪いルックスオシ女優」みたいな

イメージがあるせいか、ちょっといいと褒められるというオトクなポジションにいるような気もします。



とは言え、この映画はおそらく満場一致でこの方になるでしょう。



ダニエル・デイ=ルイス(ビル・“ザ・ブッチャー”・カッティング役)



ディカプリオの親の仇の悪ボス。

ポジション的にはディカプリオが主人公のはずですが、もう完全にこの人が主人公になってましたね。

聞けばダニエル・デイ=ルイスはこの映画のオファーが来るまで半引退中で、靴屋で修行してたそうです。

それもまたすげーな、と。

この後アカデミー賞主演男優賞を2度受賞、この前を含めると2017年現在3度の受賞を誇る(現状)唯一の俳優さんですからね。

そういう人が靴屋になろうとしてた、っていうのも驚きですが、戻ってきてやった役がコレ、っていうのもまたスゴイ。




映画レビュー647 『ニュースの天才』


タイトルは知っていて、とても観たかった映画の一つ。

こういう中途半端に古い社会派映画はレンタルも少ないし放送もなかなかしないしで観られる機会がほとんどないので、

こういう映画を配信してくれるのは大変ありがたいところですね。



ニュースの天才
Shattered Glass
監督ビリー・レイ
脚本ビリー・レイ
原案バズ・ビッシンジャー
出演ヘイデン・クリステンセン
ピーター・サースガード
クロエ・セヴィニー
スティーヴ・ザーン
音楽マイケル・ダナ
製作国アメリカ
公開2003年10月31日 アメリカ
上映時間94分
ニュースの天才










【あらすじ】

名門政治雑誌「ニュー・リパブリック」の若手記者、スティーブン・グラスは

他社からも執筆依頼が来るほどのスター記者だったが、ある時彼が書いた記事の内容に疑問を抱いたライバル誌が

内容について調査したところ、記事に出てくる人物も会社も存在しないことがわかり…。



【総評】★★★★★☆☆☆☆☆(★5)


テーマは良いのに盛り上げ不足。


この映画に登場する、「ニュー・リパブリック(ザ・ニュー・レパブリック)」誌も、

ヘイデン・クリステンセン(最近観ないな)演じる主人公、スティーブン・グラスも実在する人物で、

実際に彼が起こした記事捏造事件を元にした、実話ベースの社会派映画です。

「今だったらすぐに調べられて炎上しちゃうだろうになー」なんて思いつつ観てましたが、

でも実は今まさにトランプ大統領誕生によって注目されている「フェイク・ニュース」(もしくはオルタナティブ・ファクト)の

先駆けのような話でもあるし、別にテクノロジーが進歩したからと言って無くなるような話でもない、

というなかなか背筋が寒くなるような背景を持ったお話ではありました。

まあ、洋の東西を問わずこの手の話はおそらくどこにでも、いつの時代でもあることなんでしょう。



主人公のスティーブン・グラスは、“エアフォース・ワンに唯一置かれている雑誌”として名高い「ニュー・リパブリック」誌の若手記者。

この頃のニュー・リパブリック誌は(おそらく同業他社も似たようなものだったんでしょうが)、いわゆるインターンっぽい

「学生がバイトで記事書いてます」みたいな記者を安い賃金で大量に雇っていたようで、その中の一人がスティーブンなんですが、

彼はなかなか優秀な記者として(実は真贋に問題がある)面白い記事を量産していたようで、

気の利く人柄も相まって非常に評価の高い人物だった様子。

ところが、彼がある時書いた「ハッカー天国」という…少年ハッカーが大手企業を脅し、厚遇で雇われたという記事を書いたところ、

ライバル誌の記者が「これホントか?」と調査したことで彼の「フェイク・ニュース」が発覚、

「ニュー・リパブリック」誌の存続に関わる大問題に発展する…という物語。

割と核の部分に触れちゃってますが、事実を元にしたお話でもあるのでご容赦を。



そんな概要からすれば、社会派映画、しかもジャーナリズムがテーマの映画が大好物の僕としてはいかにもタマラン、

ヨダレが垂れそうなテーマだなと楽しみにしていたんですが、

まあとにかく全体的に掘り下げ不足のあっさり目な印象で、思ったほど惹かれる内容ではありませんでした。

おそらくは時代から来る表現の乏しさというか…良くも悪くも洗練された現代の映画とは違い、

力点の置き方がちょっとズレちゃってるような感じがしましたね。

事実の社会的影響よりも、登場人物の浅い人間関係に矮小化した物語にしちゃった印象。



一番気になった点としては、この映画は、あくまでもスティーブン・グラスその人の目を通した物語として描かれていて、

彼がやったこと、そのことで動いた周りのアレコレや検証の一部は見られるものの、

なぜ彼がそういう行動に出たのか、どういう風に事実として記事を構築していったのか…という、

要は彼が“悪いことをしている”部分の描写がほぼ丸々抜け落ちているため、

事実は事実としてよく分かるんだけどその背景はサッパリ、という一番興味をそそられる部分が出てきません。

彼を糾弾し、彼が反論する絵はあっても、彼の行動面での真実のところは何も描写されず、

ただ単に事実として「これは嘘でした」という話しか提示されないので、

「あ、そう。大変なことしちゃったね」しか感想が出てこないというか。

こいつやっちゃったよ感とか危ない橋渡ってるよ感、一言で言えば背徳感みたいなものがまるで無いので、

やっていることの大きさの割に観客に対する訴求力が非常に弱い気がしました。そこがすごく残念。

事実の大きさとしてテーマはそれなりに評価はしますが、映画としては正直かなり中途半端な内容だと思います。



もっと「足を踏み外している」感じだったり、そこに至る葛藤だったりが見えていればまた違うと思うんですが、

そういう部分がごっそり抜けちゃってるので刺さらないわけです。

もったいないなー。

事実を隠してのお話であればまだ「え!? あの記事嘘だったの!?」みたいな意外性もあったかもしれませんが、

入り口でもう「フェイク・ニュース作った人のお話」って告知されちゃってる上でのこれはちょっとつらい。

また、同僚の人物描写含め全体的にあっさりしていることに加え、

なーんか主人公のスティーブンが「悲劇のヒーロー」的な、被害者っぽい描写になっているのも気になったところ。

これも「真面目に頑張る」→「評価されない」→「偽記事に手を染める」みたいな段取りを踏んでいればまだいいんでしょうが、

物語のスタートからもうすでに評価されている人物っぽく描かれているので、彼の人生に起伏を感じられないのも良くない点でしょう。

そこで被害者面されてもねぇ、っていう。



うーん、惜しい。

テーマがテーマだけに、描き方でまるっきり違う良作になり得た作品だと思うので、非常に残念でした。



【このシーンがいいぜ!】

チャックとケイトリンがエントランスで言い合うシーンでしょうか。

チャックの思いが見える感じが良かった。



【ココが○】

実話としてこの話自体がかなりいいテーマであることは間違いないので、返す返すも描き方がもったいない。



【ココが×】

やっぱり上に書いたように、描く内容をミスっちゃって盛り上がらない作りになっちゃってる点でしょう。

あと終盤の拍手してるシーンさぁ、あれ絶対おかしいでしょ。編集部の拍手。

実際あそこで働いてたら「そんなことしてる場合かよ!!」って頭にきちゃうと思う。

お偉いさんまで拍手しててバカなの? って思った。

あれをピークに対照的なシーンを見せつけて余韻を…みたいな流れはスジが悪すぎませんかね。



【MVA】

ヘイデン・クリステンセンはやっぱりスター・ウォーズ新三部作がイマイチ、

みたいな烙印を押されて若干日陰者になっちゃったんでしょうか。

今作では青臭い、大人になりきれない記者をしっかり演じていてよかったと思いますが、

今回はこちらの方にしましょう。



ピーター・サースガード(チャールズ・“チャック”・レーン役)



新任編集長の嫌われ者。

この人とても悪役っぽい嫌な感じが似合う気がするし、実際この映画でも嫌な感じだったんですが、

実際は彼なりに真面目に、実直に仕事に取り組もうとしていた感じが出ていてよかったな、と。

でも悪役っぽかったけど。




映画レビュー646 『抱きたいカンケイ』


なんとなく「これも観ておくかー」程度にリストに入れておいた作品ですが、

これまたこの週末に配信終了とのことだったので、んじゃーまあ観ますかね、ということで。



抱きたいカンケイ
No Strings Attached
監督アイヴァン・ライトマン
脚本エリザベス・メリウェザー
原案マイク・サモネック
エリザベス・メリウェザー
出演ナタリー・ポートマン
アシュトン・カッチャー
ケイリー・エルウィス
ケヴィン・クライン
音楽ジョン・デブニー
製作国アメリカ
公開2011年1月21日 アメリカ
上映時間110分
抱きたいカンケイ












【あらすじ】

かつて中学生の頃出会ったアダムとエマ。

その十数年後、2度の再会を経て流れでセックスに至った二人は、

「彼氏なんて欲しくない」というエマの提案により、セフレとして頻繁に会うようになったが…。



【総評】★★★★★★☆☆☆☆(★6)


悪くないんだけど軽いし浅い。


ヒロインにナタリー・ポートマン、相手役にアシュトン・カッチャーというラブコメ。

「相手役がナタリー・ポートマンと釣り合ってない」とか言うレビューも見かけました。

かわいそうなアシュトン・カッチャー。



二人の出会いは中学生の頃に遡りますが、その辺のオープニングで語られる出会い&最初の再会はさして大きな意味もなく、

要は「再会した二人がヤッちゃった勢いでセフレ契約するも、次第に情が移っちゃってあーだこーだ」というお決まりのお話。

ナタリー・ポートマン演じるヒロインのエマはお医者さんで、超ハードワーカーらしく、

また常に異性の不満点ばかり見てしまう性格からか、「彼氏なんていらない」と言いつつもセックスはしたい、

という才女ながら奔放な女性。こういう女性をナタリー・ポートマンが演じること自体は結構新鮮でした。

んで、アシュトン・カッチャー演じるアダムは、エマにとってはある意味で昔なじみでもあるし、

優しいし背も高いしイケメン、父親は超有名司会者でお金も持ってるという…これ以上セフレとして申し分ない人はいない、

ってことで彼に「セフレ契約」を持ちかけるわけです。

その時の条件として、「嫉妬はしない」「どっちかが本気になったら関係終了」などの…

まあこれまたありきたりではありますが、上島先生の「押すなよ押すなよ!」バリの前フリとして機能する

お約束が盛り込まれ、「どっちかそうなっちゃうんでしょー」ってな観客の想像通りに進むお話でございます。



んで、まあもうその契約の時点で見え隠れしちゃってるんですが、

もうアダムの方は最初から惚れそうなのがバレバレなんですよね。

ってかそれ以前にジャンル的にいろいろバレバレやないか、とか言われちゃうともうどうしようもないので

その辺は目を瞑っていただくとして、ですね。

劇中、アダムの友人が言っているように、確かにこんなに「都合のいい女性」はいないとも言えるんですが、

ただそれは男側に情が生まれる可能性が低い場合の話で、男の方…つまりアダムがエマに惚れる可能性が高そうだぞ、

となると、この“お約束”がものすごい足かせになってくるのは容易に想像できるわけです。

そんなの嫉妬しちゃうに決まってるよな、とか。

その辺…特に序盤から中盤にかけては、そういう足かせがうまく機能していて、

なかなか酷なお話になってきたねぇとニヤニヤ観ていました。

僕が男だからかもしれませんが、そんな感じで終始「男目線のラブコメ」だった気はします。この部分は珍しいかも。

正直、中盤以降のエマ側の心の動きはちょっと男の妄想というか…願望的なニュアンスに感じられたし、

多分「本当のエマ」がいたら、もっとドライだったんじゃね? って気もするんですよね。そういう意味でも男目線な感じで。

ただ、アダム君はきちんと意思表示もして行動力もあったので、確かにこりゃーいい男だし、

これはこれで正しい展開だったのかもなぁ、と恋愛に疎いオッサンは思いました。まる。



というわけで、大まかな内容については特に不満もなく、まあベタとは言え悪くなかったんです。

そもそもラブコメ自体、大体がベタになるものだし。

それなりに笑いもあったし、気軽に観られる感じで良かった…んですが、しかしどうしてもイマイチ感が強かったんですよねぇ。



そうなんですよ。そうなんです。おわかりでしょう? もう。

もーね、ラブコメって時点で、どうしても比べちゃうわけですよ。おヒューと。

「これ、相手がおヒューだったらどうだろうな」とか。

アシュトン・カッチャーは決して嫌いではないんですが、あまりにも普通のイケメンすぎて面白みがないんだよなー。

おヒューのような、「ダメ人間だからこれはもしかするともしかする、(悪い方の)ワンチャンあるで…!」みたいな

意地の悪い観客的な楽しみ方を挟む余地がまるでなく、至って順当に流れすぎるのがやっぱり残念なんですよね。

もうちょっとハラハラしたかったし、「ダメな男め!」ってちょっと下に見てニヤニヤしたいというか。

ってかそう思う僕が完全にダメ男なんですが、ちょっとは観客にいい気分にさせてくれよ、みたいな面があったのかな、と。

イケメンが美女とセフレになった時点でこっちは面白くないわけですよ。

※知るか、的なツッコミ不可



で、その上もう本当に文句の付けようがない良い奴で、グッドルッキングガイなんですよ。こいつが。アダムが。

主役がこれじゃあ、観てる方は一歩引いちゃうのも仕方ないのかな、と。

いわゆる「美男美女が出てくるだけの恋愛モノはクソだ」理論ですよ。まんまその流れに沿っちゃってるという。

もっと主役は弱みを見せるべきだと思うんだよなー。

ダメなところに共感できる要素がなかったら、そりゃあモテない男たちは総スカンですよ。

ということで改めておヒューの偉大さを感じた次第です。



そんなわけで、もう「まあまあ」としか言いようのない映画ではありました。

設定から結末まで、すごく教科書通りというか…あまりクセのある人物も出てこないし、

もうちょっと強烈なポイントが一つ欲しかったかな、という印象。

ああ、ただアダムのお父さんはある意味で強烈ではありましたが…。



【このシーンがいいぜ!】

黒人友達のウォレスが「俺の表情を読め!」的なことを言ってるシーン。なんかシュールで笑えました。

男友達はみんなバカっぽくてよかったですね。



【ココが○】

割と淑女系だったり知的だったりな役が多いナタリー・ポートマンがこういう役をやる、っていうのは、

彼女が好きな男性陣にとってはなかなかありがたや案件ではないかと思います。

ただ、サービスカット的なものはあんまり期待しないほうがいいでしょう。

下着も無難な黒だったし、おっぱいも出てこなかったし。しっかりチェックしてましたよそこは。ええ。



【ココが×】

物足りない感がすごいんですよね。

想像以上の部分がまったくないからなんでしょうか。

ナタリー・ポートマンかアシュトン・カッチャーに興味がない以上は、今あえてこれを観る必要性が感じられない、

至ってフツーなお話だったのが残念。



【MVA】

主演二人はどちらも悪くなくて、特にナタリー・ポートマンは上に書いたようにいろいろとレアな気がしてよかったんですが、

でも結局はこの人がさすがの存在感だった気がする。



ケヴィン・クライン(アルヴィン・フランクリン役)



まあもうね、いい歳こいて息子の元カノと婚約までしちゃう、っていうプレイボーイぶり、

そして息子に恥じること無くクスリもやってラリっちゃうようなオープンな父親像、っていうのがね。

もうハマりすぎでしたね。さすがです。

このアルヴィンとアダムの親子像はなかなか良かったと思います。ちょっと羨ましかった。



〈余談〉

そんなわけでおヒューに思いを馳せてしまったがために、この映画鑑賞後すぐに

Netflixにあったこともあって「噂のモーガン夫妻」を観てしまいました。

ただおヒューへの思いが増した分、初回鑑賞時よりも面白くなってたかと思いきやそんなでもなかったという。

さらにまだちょっとおヒュー腹が足りなかったので、今度はYouTubeで「ラブソングができるまで」の

オープニングPVまで観ましたよ、というご報告です。

PVラス前、彼女が去っていったドア前で相方に支えられながら

おヒューが胸に手を当てて歌うシーン(「Pop! Goes My Heart」の歌詞が最後に出て来るシーン)があるんですが、

あそこで明らかにおヒューが笑っちゃってるんですよね。完全にNGな感じで。

あれ何回観ても笑っちゃう。

何回観ても笑っちゃうぐらい何回も観てるってことだけど。




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