なんかのプロジェクトM

なんのプロジェクトかは不明です。 そして「M」はムラムラの略です。 年中ムラムラ。

ようこそいらっしゃいました。

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映画レビュー界のスラム街と言われる、しがない超個人的映画レビュー兼データベースブログです。

基本的にネタバレ無し、「無知識無教養も恐れず感じたことを正直に書く」ことを信条にしております。

たまに毒を吐きます。

細々と続けながら、ようやく500本を突破しました。

これからもマイペースに増やして行きます。



しょっちゅう映画を観てる人も、たまにしか映画を観ない人でも、

ホンの少しでも参考になれば、この上なく嬉しいです。

コメント・トラックバックも大歓迎。お気軽にドウゾ。






【レビューリスト】映画タイトル(50音順)【レビューリスト】ジャンル別
【レビューリスト】公開年度順【レビューリスト】評価順
【人物リスト】俳優・女優別(50音順)【人物リスト】監督/スタッフ別(50音順)





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映画レビュー678 『16ブロック』


今回はBS録画から。

前日社会派の映画(ハンナ・アーレント)を観たので、ちょっと気楽な映画を観たいと思ってチョイス。



16ブロック
16 Blocks
監督リチャード・ドナー
脚本リチャード・ウェンク
原作マイケル・ヘイスティングス
『The Operators』
出演ブルース・ウィリス
モス・デフ
デヴィッド・モース
音楽クラウス・バデルト
製作国アメリカ
公開2006年3月3日 アメリカ
上映時間101分
16ブロック










【あらすじ】

夜勤明けの窓際警察官・ジャックは、帰り間際に犯人の移送を頼まれ、渋々引き受けるも途中謎の男たちに襲われてしまう。

署に連絡して救援を呼ぶと、元相棒のフランクがやってきて数人の刑事とともに「こいつはワケアリなんでね」と

移送中の犯人を殺そうとしたため、とっさに彼を救って逃げることにしたが…。



【総評】★★★★★☆☆☆☆☆(★5)


何から何まで予想通りでした。


もうね、いい加減こういうベタな展開が予想されるアクション映画って観るのやめるべきだな、と思いましたよ。マジで。

それなりに映画を観てきている人であれば、大体このシーンはこういう狙いで、この後これが出てくるんでしょ…

とかわかっちゃうお話だったので、まあ何一つ盛り上がることがないお話でした。



ブルース・ウィリス演じる主人公のジャック・モーズリーは、アル中で足も悪い超窓際警察官。

思えばこの設定が一番珍しかった気がする。

“死なない男”ダイ・ハードのジョン・マクレーンとは正反対の、ホントにすぐ死にそうなオッサン。

そんな彼が夜勤明け(眠い)に「こいつを裁判所まで移送してくれ」「いやワシ眠いんで」「すぐ近くだろ」

「でも勤務外なんで」「いいから行けや!」と移送を渋々引き受けます。

その移送先の裁判所が警察から16ブロック先ということで、「16ブロック」。ちなみに約1.6kmだそうです。

近いけど、なんかあったら嫌な距離だぜ…ってことで当然なんかあったよ、というお話。



このモス・デフ演じる犯人はどうやら悪徳警官の悪行を裏付ける証言をしに裁判所へ連れて行かれるようで、

当然ながら証言されたら困る警官たちがいるわけです。

彼らはこの犯人を殺して証拠隠滅→解決しようぜ、ということでボンクラのジャックなんて丸め込んでおしまいだろ…

と思ってたらジャックが反発してしまったがために面倒なことになったぜ、と追走劇が始まります。



もう本当にいろいろとわかりやすくフリも用意されているし、お決まりのようにピンチがあってはかわしてというお話なので、

よほどアクション映画好き or ブルース・ウィリス好きとかでない限りは今さら改めて観るにはしんどい映画ではないかと思います。

エンディングに出てくるであろうものも誰でも気がつくものだし、ラス前のちょっとしたトリックも

「ああこれアレでしょ」ってな形でいろいろと既視感のある内容でした。

もうそれ以上でも以下でもないという…。だからあんまり語ることはありません。



でも実は予想通りだったエンディングでちょっとホロッと来ちゃったのはショナイでお願いします。マジで。



【このシーンがいいぜ!】

ということでエンディングですかね。

もーホントにわかりきってたベッタベタなエンディングだったんですけどね…。

じんわりきたよね…。



【ココが○】

ド定番大安定ってことで、それなりの映画が観たい時にはそれなりに応えてくれるかもしれません。



【ココが×】

んで、そこそこ映画観ている人であれば、もう完全におなじみの展開なので楽しめないわけです。

もうアレですよ。ベタなAVで興奮できなくなってるのと似てる感じ。(しらねーよ



あと、移送されるエディが喋りすぎ。

舞台回しなのはわかるんですがさすがに喋りすぎでウルサイ。

もうちょっとバランス考えても良かったんじゃないかなと。



【MVA】

消去法ではありますが…ちょっと思う所あってこの人かなー。



デヴィッド・モース(フランク・ニュージェント役)



マジでいつも通りのデヴィッド・モースなんですが。

もう真面目なフリして悪い警官はこいつにやらせとけよ、みたいな。

いつも通り過ぎて特に良いとか無かったんですが、ただ久しぶりに観た気もするし、

ザンダーさんのようなある意味便利屋ポジションとして貴重な人材なんじゃないか、

とモース見直し論が自分の中で巻き起こったこともあって。

嫌な役はギャラもそんなに高くないからデヴィッド・モースかピーター・サースガードにやらせとけよ、みたいな。

そんなちょっとした悲哀みたいなものが見え隠れしてた気がしないでもないので、ご苦労様ということで。




映画レビュー677 『ハンナ・アーレント』


地味ですが非常に観たかった映画の一つ。Netflixにあったので観てみました。



ハンナ・アーレント
Hannah Arendt
監督マルガレーテ・フォン・トロッタ
脚本マルガレーテ・フォン・トロッタ
パメラ・カッツ
出演バルバラ・スコヴァ
アクセル・ミルベルク
ジャネット・マクティア
ユリア・イェンチ
ウルリッヒ・ノエテン
音楽アンドレ・マーゲンターラー
製作国ドイツ・ルクセンブルク・フランス
公開2013年1月10日 ドイツ
上映時間114分
ハンナ・アーレント











【あらすじ】

モサドによって逮捕されたナチのアドルフ・アイヒマン。

彼の裁判を傍聴したいと申し出た哲学者のハンナ・アーレントは、

その裁判で見た彼の姿から「彼はただ命令に従っただけの凡庸な悪である」と表明、

同時に当時のユダヤ指導者層への批判も言及したことで世間から猛反発を受ける。



【総評】★★★★★★☆☆☆(★7)


興味があるなら一見の価値あり。


ハンナ・アーレントという人は一般日本人的にどれだけ有名なんでしょうか。あんまりピンと来ない気もします。

僕は以前にたまたま知る機会があり、あのユダヤ人大虐殺を主導した人間の一人であるアドルフ・アイヒマンを

「凡庸な悪だ」と言ってのけた女性だということで、どういう人なのか興味がありました。

今となってはその「凡庸な悪」論も定説として語られている気はしますが、

当時の被害者たちを中心とした世論からすれば、彼はとんでもない悪魔であり巨悪だと信じられていたため、

「思考をやめた時、誰でもアイヒマンになり得る」という彼女の論は到底受け入れられないもので、

それ故に猛烈な反発が巻き起こるわけです。

物語は彼女の「アイヒマン裁判を傍聴したい」という申し出に始まり、その裁判に関する記事をニューヨーカー誌に連載、

そしてその記事に対する世間の反応や彼女自身の周りの反応を交えながら、彼女の仕事や人間性を描く映画です。



序盤の裁判傍聴に関しては、まさに今年始めに観た「アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち」の別視点という感じで、

あの映画でも使われていた同じ資料映像を使いつつ、あの映画で描かれていた「放送」を彼女が観ている、という形。

「アイヒマンショー」のディレクターであるフルヴィッツがアイヒマンの悪魔性を炙り出そうとしていたのとまったく同じように、

彼の裁判を見守るハンナを始めとした人々も彼の内なる残虐さを見出そうと食い入るように傍聴しますが、

やはりフルヴィッツ同様、彼が小役人のような「凡庸な悪」であることを受け入れられず、戸惑います。

やがて彼女はその「凡庸な悪」論を世間に提示することで、大量の脅迫状を受け取るほどの反発を受けるわけですが…。

今の時代でもそうですが、凶悪な事件に限らず直視したくない嫌な問題が起きた時、

世間的には誰か一人(ないし複数の)悪者を仕立て上げて、「こいつのせいだ」で溜飲を下げ、

また「こいつは異常者だ」で自分たちの埒外に置いて安心しようとする部分があると思いますが、

まさにこの時代、アイヒマンの裁判に向けた世間一般の考え方はこの考え方そのもので、

それ故に真理を突いたハンナの「凡庸な悪」論を受け入れられない、受け入れたくない人たちの反発がすごかったんでしょう。

おまけに自分(ハンナ)と同じユダヤ人にまでその批判の矛先を向けたがために、友人だった人たちからも反発されてしまい、

ほぼ四面楚歌の状態になりながら静かに戦う彼女。しみじみとかっこいい。

主演のバルバラ・スコヴァ演じるハンナは、常にタバコをくゆらせ、

ややくたびれた雰囲気の中にも凛とした佇まいがとても印象的でしたね。



映画としては、まさに歴史上の人物を描いた伝記ものという感じで、またドイツ映画であることも手伝ってか、

至って真面目で至って地味な映画ではあります。

それ故に、これまた伝記もののご多分に漏れず、

対象となる人物に対する興味が無いとなかなか入り込むのは難しい側面はあるでしょう。

おまけに彼女の扱うテーマは政治色が強いし、職業的にも哲学者なので、地味な上にさらに輪をかけて地味というか。

社会派伝記映画の中でも地味な方だと思うので、本当に興味がない限りは最後まで観るのがしんどい映画かもしれません。



が、やはり良くも悪くも映画の題材になりやすいアイヒマンが片方の軸にいることもあり、

ナチスものを深掘りしていこうと思う人には避けて通れない映画の一つでもあると思います。

上に書いたように「アイヒマンショー」との共通点もかなり観られるので、

アイヒマンやハンナ・アーレントという人物に興味があるのであれば、両方セットで観るのがオススメ。

今思えば「アイヒマンショー」の最後に語られた価値観はまさにハンナ・アーレントが言ったことそのものだし、

歴史に残る大虐殺の悲劇を繰り返さないためにも、くどいほど“普通の人”に伝えていかなければいけないものなんでしょう。



よく殺人事件が起こった時にワイドショーなんかで近くに住んでる人にインタビューして

「明るくて面倒見の良い人でしたけどねぇ」とかやってますが、まさにその手の話と通底しているというか、

普通の人でも突如として“そっち側”に行くことがある、というのは何事にも共通して言えることで、

例えば「詐欺なんて引っかかる方がおかしい」とか言ってる人が引っかかっちゃう、

みたいなのも同じような面があると思うんですよ。

そうやって身の回りに置き換えていくと、このハンナ・アーレントの言う「思考停止の先に凡庸な悪がいる」というのは

「はぁそうですか」と素通りするにはとても危険な、大切な問題を語っているのは間違いないわけで、

映画として面白いかどうか以前に、いろいろな人が我が身に置き換えて観るべき話ではないかなと思います。

そういう意味でも良い映画でした。



【このシーンがいいぜ!】

これはやっぱり…終盤の“講義”のシーンですねぇ〜。

一番の見せ場らしい、気合の入った演技が素晴らしかったです。

実際こういうことあったんだろうし、学生が羨ましい。

あそこだけちょっと法廷ものっぽかった。



【ココが○】

単純に「ハンナ・アーレントという人を学ぶ」という意味でとても良い映画だと思います。

知識欲旺盛な人には特にオススメ。



【ココが×】

ちょっとね、エンディングが「え? これで終わり?」って感じにあっさりしていたので、そこが少し気になりました。

そこがまた生真面目ドイツ映画っぽいと言えばそうなんですが、でももう少し「終わるぞ!!」って感じが良かったな、と。



【MVA】

やー、これはもう文句なしにこの人でしょう。



バルバラ・スコヴァ(ハンナ・アーレント役)



優しそうな雰囲気も意志のある眼力も文句無しで、本当にこんな感じだったんじゃないか、という説得力がスゴイ。

Wikipediaの顔写真見たらもう全然違うし。映画の方が数百倍かっこいい感じで。

良い女優さんでした。




映画レビュー676 『M★A★S★H マッシュ』


BS録画から。

ずっと観たかった作品の一つ。午前十時の映画祭上映作品でございます。



M★A★S★H マッシュ
M*A*S*H
監督ロバート・アルトマン
脚本リング・ランドナーJr.
原作リチャード・フッカー
『マッシュ』
出演ドナルド・サザーランド
トム・スケリット
エリオット・グールド
ロバート・デュヴァル
サリー・ケラーマン
音楽ジョニー・マンデル
製作国アメリカ
公開1970年1月25日 アメリカ
上映時間116分
マッシュ












【あらすじ】

朝鮮戦争下の「移動米軍外科病院」に配属されたホークアイ、デューク、トラッパーの3人の軍医。

それぞれが腕のある名医ではあったが、軍の規律などお構いなしで好き勝手に行動する破天荒な連中だったため、

内部では軋轢も生じて…。



【総評】★★★★★★☆☆☆☆(★6)


ゆるい戦争映画。


朝鮮戦争での移動米軍外科病院(前線近くに拠点を置いた軍病院みたいなイメージ)を舞台にしたブラックコメディ。

…と受け売りで書いてますが、良い意味でそんなにブラックな感じもコメディな感じも強くなく、

「結構戦時下の軍ってこんな感じだったりするんだろうなー」という妙なリアリティのあるお話でした。

軍とは言っても軍医たちが主人公なので、その分ある意味で緊張感は無いし、それが日常の行動につながってる感じでリアルというか。



主人公の3人はそれぞれ医者としては文句のない腕を持っているようで、その肝の座った性格からもわかる通り、

きっちり落ち着いて着実に仕事をこなすタイプ…なんですが、仕事以外の時間はまーひどいもんで、

酒を飲んでは猥談をし、看護師である女性将校をからかったりゴルフをしたりと好き放題。

とは言えそのせいでとんでもない事件が起こる…という話でもなく、その好き放題をする彼らとその同僚に上官たちの、

戦争を感じさせない日常を描いたコメディと言ったところでしょうか。



古い映画故に仕方のない面はあるものの、やや全体的に平坦で退屈な部分はありました。

上に書いたように特に話として何か大きなことが起こるわけでもない、言ってみれば学校生活が軍生活に変わっただけ、

みたいな「お前ら大学生かよ!」的な話が延々と続くので、もう少し劇的な何かが欲しかったなーとは思います。



なにせ朝鮮戦争下で軍医たちがふざけてるだけっていう話なので、ウケたのはこの時代特有の空気感みたいなものもあったんでしょう。

特に声高に反戦も賞賛もしていない、戦争に対する価値観の表明みたいなプロパガンダ的な部分は見て取れませんでしたが、

こういうふざけた(愛すべき)軍医たちを描くことで、兵士たちも人間なんだぞ、お前たち観客と変わらないんだぞ、

みたいな地続きの世界であることを訴えたかったのかもしれない、という気はします。

全体的にゆるい、本当に大学生みたいな話を軍で展開する“だけ”の映画ではありますが、

ちょくちょく挟まる日本語放送は特にバカにする雰囲気もなく、ある種真っ当だったし、

朝鮮戦争ではあるものの“敵”は(見下すような形で)描かずに内部の話に終止しているし、

軽く人種差別を否定するような描写もあるしで、実は根本には世界平和を願っているような映画のような気がしないでもなかったです。

考え過ぎかもしれませんが、ふざけた軍医たちの先でゆるく平和・平等を訴えている映画なのかもしれません。

正直なところ劇中は結構退屈だったりもしたんですが、最後まで観るとなかなか愛のある映画だったなぁと思いました。



【このシーンがいいぜ!】

「助けてやってくれ」からの大仰なBGMで写すテントには笑いましたが。

一番はエンディングだな〜。こういうつながりのエンディングは初めて観ました。

話的には全然重要ではないんですが、「おお、劇中のアレがこうつながるのか!」っていうエンディングで。

コメディとしてものすごくオシャレな終わり方だと思う。このエンディングはすごく好きです。



【ココが○】

特に何かを訴えることもないバカバカしい内容ではありますが、あまり“貶める”発想のないブラックコメディというのは

珍しい気もするし、良いなと思います。



【ココが×】

なにせ軍医なのでちょくちょく手術中のシーンが出てくるんですが、そんな出てこなくてもいいんじゃね? と思うレベルで

結構ちょくちょく血まみれになってます。

直接的に臓器が出てきてウワーみたいなのはないものの、別にこんな挟まなくても…という気はしました。



【MVA】

主役のうちの一人、エリオット・グールドに期待して観てたんですが、これが今回結構地味な感じでイマイチ冴えなかったような…。

ロバート・デュヴァルも途中退場で残念だったしなぁ。

ドナルド・サザーランドは主役らしい存在感で文句なしでしたが、今回はこの人に。



ロジャー・ボーウェン(ヘンリー・ブレイク中佐役)



舞台となる移動米軍外科病院のトップ。

でもこの人がある意味一番すっとぼけてて、一番コメディ的な良い立ち位置にいた気がしてよかったなと。

メガネ外すと意外と男前だったりして。しれっと女抱いてるし。美味しいキャラでした。




映画レビュー675 『ウォー・マシーン: 戦争は話術だ!』


結構話題になっているのでご存知の方も多いと思いますこちらの映画。

Netflixオリジナルの「劇場公開しない新作映画」、主演&プロデューサーはブラッド・ピットというなんとも贅沢な映画です。

こっちはバカみたいに「劇場公開すりゃいいのにね」と思うんですが、Netflix加入者を増やすためなんでね。

劇場公開するわけ無いだろこの粗チン野郎が! と自分に突っ込むわけです。

というわけで先週土曜、公開翌日に早速観てみました。当たり前ですが新作料金とか無いのが嬉しいですね。

当たり前だろこの(略



ジャケ絵は多分ソフトが販売されると思うので、その頃に。



ウォー・マシーン: 戦争は話術だ!
War Machine
監督デヴィッド・ミショッド
脚本デヴィッド・ミショッド
原作マイケル・ヘイスティングス
『The Operators』
出演ブラッド・ピット
アンソニー・ヘイズ
ジョン・マガロ
エモリー・コーエン
アンソニー・マイケル・ホール
トファー・グレイス
ウィル・ポールター
ティルダ・スウィントン
ベン・キングズレー
音楽ウォーレン・エリス
ニック・ケイヴ
製作国アメリカ
公開2017年5月26日 各国
上映時間122分
nowprinting














【あらすじ】

開戦から既に8年が経過、泥沼状態のアフガン戦争を終結させるべく、

ホワイトハウスは新たにグレン・マクマーン大将を駐留軍司令官に任命する。

ストイックで部下からも愛され、実績も十分なグレンは自信満々に“勝者”になるべく行動を続けるが、

戦況は一向に良くならないのであった。



【総評】★★★★★★★★☆☆(★8)


意外と無いタイプの戦争映画かも。


いやー、面白かった。普通に。普通に映画してた。当たり前だけど。

ブラピが言うには「意欲的な作品で、Netflixでなければ作れなかった」とのことで、

まあネトフリへのリップサービスも多分に含まれているんでしょうが、

ただ以前にも書いたように、映画評論家の町山さんが言う

「中国でも受けそうな超大作か低予算映画の二極化が進んでいる」ハリウッドの現状からすれば、

確かにこういうアメリカ中心でなおかつアメリカへの皮肉が込められた映画、

というのはなかなか作られにくいのは確かなんでしょう。

言ってみれば「多国籍軍を率いる駐留軍司令官とその部下たちから見たアフガン戦争」でしかないというか、

潔く他国の事情とかしがらみとかはほぼ綺麗サッパリ切り捨てて、

主人公であるグレン大将個人にフォーカスした戦争映画という感じなので、

他国からすればいろいろツッコミどころがある面はあると思います。良い人ぶってんじゃねぇ、みたいな。

ただ…僕がたまたま観てきていないだけかもしれませんが、大統領のような現地にいないお偉いさんは別として、

現場のトップ、まさに戦争を当地で指揮する“大将”という役職の人を主人公に据えた戦争映画というのは

あんまり観た記憶がないので、なんとなくのっけから「大物が出てきたな…!」みたいな、

いきなりステーキ的な楽しさがあった気はしました。

いきなりステーキ行ったこと無いんだけども。っていうか一番近くのいきなりステーキは火事やらかして閉店っていうね。



前フリが長くなりました。概要です。

解任された前任のアフガン戦争駐留軍司令官に代わり、ブラピ演じるグレン・マクマーン大将が新たに現地へ赴任。

彼とその部下たちのご紹介から映画はスタートします。やや軽めのご紹介で、ブラックコメディっぽい雰囲気。

ブラピもひどく作った演技でより一層コミカルさを増す感じです。

鑑賞前に見たレビューに「ブラピのモノマネ2時間、って感じが気になった」というご意見を見かけたんですが、

そんなご意見も納得の作り込んだキャラクターで、走り方から話し方から表情から全部誇張が過ぎる印象。

けど慣れるとそういう人に見える辺りがさすが、なんでしょうか。

ちなみにモデルは「スタンリー・マクリスタル」というお方だそうですが、風貌的にそんなに似ている感じもしないので、

おそらくモノマネと言うよりはこの映画のために作ったキャラクターなんでしょう。

もちろん、一つの表現として「モノマネ」と表現するのは間違っていないと思います。

とにかく「いつものブラピ」だと思って観ると痛い目に遭います。メイクもあってか、だいぶお歳を召した感じもありました。



さて、そんなグレン大将が「アフガン戦争を終結させるべく」、着任早々意欲的に動き回りますが、

お決まりのように…政治側の事情により、彼の考える作戦は棚上げを喰らいます。

面白くない彼はちょっとした策を講じて政治側に対抗し、自分の思う解決策でアフガンに救済をもたらそうと

がんばるのですが…。これ以上は観ていただいて。



戦争映画って言うともうドンパチから始まって、「死んでも倒れるな!(by トム・サイズモア)」みたいな

男臭い世界が当たり前な印象ですが、この映画はだいぶ人間臭い戦争を皮肉交じりに描いていて、

序盤の「どっちが現地民から支持を受けるか、言わば武装集団との人気投票みたいなもの」という話は新鮮でした。

もう本当にそれこそ政治家のように街を回り、握手をしては「我々が必ずや平和をもたらし、学校を建設します!」という。

陸軍大将ともなると、戦地から一番遠い場所でふんぞり返って「根性がなっとらん!!」みたいな印象しか無かったんですが、

この映画の主人公・グレン大将は、とにかく人心掌握を最重要と考えているようで、

実際弾を受けるほどのことはないにせよ、最前線まで赴いて兵士たちを鼓舞したり、

「行動するリーダー」としてとても魅力的な人物に見えます。

理想のリーダー像とまでは言いませんが、人の上に立つ立場の人には彼から学ぶべきところも多そうです。



アフガン戦争自体はリアルの方ですでに結論が出ているので、彼の目指す“勝利”が実現しないのは明らかなんですが、

結果がわかっていてもその経緯をたどる物語は単純に面白く、また人間臭いから感情移入もしやすい。

今までなんとなく「偉い大将」としか認識していなかった人及びその取り巻きたちがどういう人間で、

どういう事情から政治と対峙しているのか、その辺がクリアになる面白さがありました。

タイトルの軽さもあってもっとコメディ寄りな映画なのかと思ってましたが、

終盤いきなり緊迫度を増して「忘れちゃならないぜ戦争映画なんだぜ」と見せつける展開もあり、

実はなかなか社会派な面も強いように感じました。

オバマ(前)大統領も映像とそっくりさん(後ろ姿だけ)が出て来るし、

国務長官は名前こそ出てこないものの明らかにヒラリー・クリントンだし、マイケル・フリンらしき食えない男も出てくるし。

現大統領がお騒がせな中、こうして「それはそれ、これはこれ」で前大統領とその閣僚たちを批判する色が見える

映画を作る辺り、やっぱりなんだかんだ言ってアメリカは大したもんだな、と感心しますね。

こんなこと日本でやったら品のない官邸が監督の風俗通いとか読●にリークして



おや、誰か来たようだ。



そんなわけでですね。

戦争映画ながらグロくもなく、軽く観やすい中でちょっとした皮肉を混ぜた社会派コメディと言った感じで、

テンポもよく大変楽しませて頂きました。こういう映画好きだなー。

Netflixが作った、っていうのは映画ファンとしては功罪両面あるとは思いますが、

現実として「普通の劇場公開映画」でこういうのが作れないという前提があるとすれば、歓迎すべき動きなんでしょう。

今後も期待したいと思います。

ちなみに12月にはウィル・スミス主演の映画が公開になるらしいです。



【このシーンがいいぜ!】

ティルダ・スウィントンが出て来る場面は、このグレンという人の真理を突いていて良いシーンでしたね。

あとその後の「男が白髪になる理由」のセリフはすごく胸につまされるものがあって良かったな〜。



【ココが○】

そのティルダ・スウィントンもそうですが、結構大物たちがチョイ役でちょろっと顔を出しているのも嬉しいポイント。

カルザイ役のベン・キングズレーもちょっとしか出てこないんですが、後で調べてみたら本人にかなり似てて笑えます。

そして一番最後に出てきたクレジットなしのアノ人には一番驚いた。そこで使いますか。



【ココが×】

唯一描写される戦場の場面は終盤に向けて緊張感を高める役割はあったものの、

結構唐突に訪れるいきなりピーク感がもったいない気はしました。

もうちょっと丁寧にそこに至る過程が描かれていても良かったかもなぁ、と。一応前フリはあったんですけどね。



それとやっぱりちょっと邦題が軽いかなぁという気はします。

ただ原題の「ウォーマシーン」も日本人としては映画のイメージとだいぶ離れた印象を受けるし、

ある程度軽さを強調しつつ興味を抱かせるという意味では仕方のない邦題かな、とも思います。

ただ、「戦争は話術だ!」っていうほど口先だけのダメリーダー、って感じではないです。



あと一応念押しでもう一度書いておきますが、この映画、軽そうに見えて実際はかなり社会派に寄った映画だと思うので、

「軽くて面白そう。ブラピだし」って感じで観ると感覚的に大コケする可能性があるのは覚えておきましょう。

どちらかと言うとジャーナリズムとかが好きな人向け。



【MVA】

もうね、「オーシャンズ」シリーズ大好き人間からすると、ブラピの部下がトファー・グレイス、って言うだけで涙モンですよ。

大きくなったね、二人とも…。(お父さんかよ的感傷



MVA的には非常に悩ましい、良くも悪くも際立った人がいなかった映画だったんですが、でも結局はこの人でしょうか。



ブラッド・ピット(グレン・マクマーン大将役)



くどいようですが確かに「モノマネ感」すごいし、ちょっと作りすぎなんですよ。

特に声の出し方なんて完全にブラピじゃないし、鼻につく人がいても全然おかしくないです。

ただ、やっぱり50過ぎようがブラピはブラピなので、「いつものブラピ」で演じてたら、

ちょっとそれはそれでこの大将っぽくない感じはしたと思うんです。かっこよくなりすぎちゃって。

だからブラピが演じるのであればこれが正解なんだろうな、と思います。

他の人が演じるなら別ですが、多分それだと(プロデューサー兼務もあって)作られてないんだろうし。

トムクルさんとかね。意外と似合いそうな気がしましたが。

あとヒュー・グラントね。(好きなだけ




映画レビュー674 『グッドフェローズ』


今日はBS録画から。

タイトルは知っていたのでなんとなく録画しておきました。



グッドフェローズ
Goodfellas
監督マーティン・スコセッシ
脚本ニコラス・ピレッジ
マーティン・スコセッシ
出演レイ・リオッタ
ロバート・デ・ニーロ
ジョー・ペシ
ロレイン・ブラッコ
ポール・ソルヴィノ
サミュエル・L・ジャクソン
音楽
製作国アメリカ
公開1990年9月19日 アメリカ
上映時間145分
グッドフェローズ












【あらすじ】

マフィアの一員になることを夢見る少年ヘンリー・ヒルは、11歳からマフィアの使いっ走りとして仕事を始め、

その後も順調に信頼を勝ち取り、組織の中で使い切れないほどのお金を稼ぐ青年になっていった。

やがて組織の仲間であるジミーとトミーの二人と様々な仕事をするようになり、多額の金の強奪も成功させるが…。



【総評】★★★★★★★☆☆☆(★7)


よほどのマフィア好きでないと違いがイマイチ…。


レイ・リオッタの出世作で、共演にロバート・デ・ニーロとジョー・ペシ。

ジョー・ペシは久しぶりに観ましたねー。あの甲高いしゃがれ声、それだけで「ああマフィア映画だ」と感じます。

なかなか面白かったのは面白かったんですが、実在する人物である彼らの知識を持たない日本人的には、

良くも悪くもいろいろと「いつものマフィア映画」でしかない印象で、中盤はちょっと集中力が途切れがちになり。

多分興味が無いのに時代劇ばっかり観てると同じような感覚になる気がします。

殺しも意外性が無くて大体想像が付いちゃうだけに、なんとなーくボヤーッと筋を追って観ているだけという感じで、

イマイチのめり込めなかったのが残念。面白かったんですけどね。



レイ・リオッタはWikipediaの写真を見る限りもうすっかりただの江守徹になってしまったようですが、

この映画ではマジでその辺の中学生っぽさの残るあどけなさと青年時代をしっかり演じていることもあり、

20年以上(?)の長い物語をきっちり見せてくれます。



そう、なげーんですよ。話が。

話の流れ上、前フリは必要だし特に無駄なシーンがあったとも思いませんでしたが、しかし長い。

テンポも悪くないので、観ていて飽きるというほど長く感じるわけではないんですが、でももうちょっとギュッとできた気がする。

この辺、同じスコセッシの「ギャング・オブ・ニューヨーク」とすごく似た印象。



序盤から中盤はいわゆる「組織でのし上がっていく」パートとしていろんな仕事をこなしていく姿が描かれるんですが、

ただ彼は組織の正構成員ではなかったらしく、イマイチ偉くなったとかそういう話も出てこないので、観ていてなんとなくぼんやり。

その辺は彼の仲間であり友達でもあるロバート・デ・ニーロ演じるジミーとジョー・ペシ演じるトミーの二人も同様で、

トミーは「幹部になる」という話が出ては来るものの、基本的にはイマイチのし上がっていく感がなく、

組織の中で三人が仕事をしている様と、嫁さんが暴れている(これまたありがち)姿を観ているだけ、という感じで。

もうちょっとボスとかその他幹部の話が出てきてたらちょっと違ったような気もするんですが、

会社に例えるとちょっと最初に紹介がてら社長が出てきた以外は、

係長二人とアルバイト長が仕事して儲けてやったぜ! っていうのがずーっと続いている感じで、

「面白くなってきそうだな」と思わせるまで集中力を保てなかった気がします。



これが初のマフィア映画だったらまた全然違ったとは思うんですけどね。

さして興味もない(だったら観るなはナシで)中で観ても…結局いつも通りな感じがしちゃって。

まあ…マフィアって言うのはこういう流れを辿った人が多いんでしょう。

物語上とても重要な意味を持つ「ルフトハンザ航空現金強奪事件」が

そこまでしっかり描かれていなかったのも原因かもしれません。

あそこをもっと綿密に描いてくれれば…ま、結果論ですね。



かなり評判が良いので結構期待していたんですが、正直そこまでは…という感想。

マフィアモノがお好きであればどうぞ、というレベルでしょうか。



【このシーンがいいぜ!】

朝、車で二人がアレしてるところがやっぱり印象的でしたねぇー。

あそこからの一連の流れはなかなか…マフィア映画っぽくて良い。



あとヅラのオッサンのCMのところも良かった。



【ココが○】

作風として重すぎず軽すぎず、人間味のあるマフィアの世界を描く雰囲気は良かったと思います。



【ココが×】

あと20分短ければ…だいぶ印象が違った気がするんですよ。

長いと感じたわけではなくて、時間に対して見どころが少ない感じというか。



【MVA】

んー、レイ・リオッタも悪くなかったんですが…この人かなぁ。



ジョー・ペシ(トミー・デヴィート役)



ホントこの人のあの独特な声とちっちゃいおっさん感、他になくて。

すぐ殺しちゃう単細胞っぽさとかもう完璧でしたね。

マジでこれどう観てもジョー・ペシがやるべくして作られた役じゃねーか、っていう。

最近観ませんが…お元気なんでしょうか。




映画レビュー673 『マイノリティ・リポート』


「サスペンスのオススメ」を聞かれた時に、いつも名前が浮かぶ映画の一つなんですが、何せ観たのはもう十年以上前の話なので、

それなりに映画を観るようになった今観ても果たして面白いのか、もう一度確認したいとずっと思ってました。

ということで今回は再鑑賞となりますこちらの映画です。



マイノリティ・リポート
Minority Report
監督スティーヴン・スピルバーグ
脚本ジョン・コーエン
スコット・フランク
原作フィリップ・K・ディック
『マイノリティ・リポート』
出演トム・クルーズ
コリン・ファレル
サマンサ・モートン
マックス・フォン・シドー
ロイス・スミス
ピーター・ストーメア
音楽ジョン・ウィリアムズ
製作国アメリカ
公開2002年6月17日 アメリカ
上映時間145分
マイノリティ・リポート










【あらすじ】

西暦2054年、ワシントンD.C.では犯罪予防局という組織の下、「プリコグ」と呼ばれる3人の能力者の未来予知により、

殺人を未然に防ぐ体制が築かれ、殺人事件が起きなくなっていた。

ある日、その犯罪予防局で殺人を未然に防ぐ刑事、ジョン・アンダートンが殺人事件の容疑者として報告される。

知りもしない男に対する殺害予知を見たジョンは、これが罠だと感じて逃走するが…。



【総評】★★★★★★★★☆(★9)


今観ると、この世界がよりリアルに見える。


トムクルさん主演の“近未来感”が楽しい近未来SFサスペンス。

今思えば「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」に近い楽しさを感じますね。

犯罪予防局に勤めるチーフ刑事のトムクルさんに容疑がかけられ、それをかわしながら真相に迫っていくというお話。

ちなみに最近(2015年)、この映画の続編となるテレビドラマも制作されているようで、こちらも気になります。



まずその近未来感という意味では、今観ると公開当時よりも現在の技術がだいぶ向上したせいで、

より身近に感じられるのが面白かったなー。

例えば当時からかなり話題になっていたと思いますが、オープニングの捜査場面。もしくは捜査操作場面。

当時は「なんかトムの動きダセェけど画面かっけぇ!」みたいな感じでしたが、今となってはああいう操作、できそうですよね。

反対に今の感覚で観ると、ガラス状の板にデータを格納してメインモニターに持っていって写す、みたいなのはやらなそうだな、とか。

いちいちメディアなの? ネットワークで良くね? みたいな。

そういう技術的な観点が「ただスゲェ」からより現実味のあるものに観えてきたのがまず面白かったです。



そもそも奇しくもつい最近、ビッグデータを活用して犯罪を未然に防ぐシステムをなんちゃらかんちゃら、

というニュースがあったりして、この「犯罪予防」自体が現実味のある世界になっているのも面白くて、

「ちょっと古い近未来像がダサくなる」感じではない、良いところを突いている未来像が

今も腐らないお話になっているすごさを感じます。

さすがやるじゃねーか、フィリップ・K・ディック。(上から



ただ現実のようにビッグデータを活用してどうこう、なんて面白くもなんともないところですが、

この映画のキーとなる「プリコグ」と呼ばれる能力者が予知する、そのアナログ感と神秘性がまた良くてですね。

結局は人であり、人であるからこその展開でありサスペンスでもあるというこの作りの巧みさは今でも色褪せていないと思います。

んでアナログであるが故にミスや矛盾も「まあ人がやってるんでね」とごまかせちゃうのも

古くならないという意味ではグッドなポイントではないかなと。



ある意味では隔離された彼女たちが何を伝えようとしていて、そこにどんなエラーがあるのか…。

「マイノリティ・リポート」とは「少数報告」という意味ですが、まさにそのマイノリティ・リポートに対する有り得そうな扱い、

リアリティとそのサスペンス的なロジックのうまさは今観ても素晴らしいと思います。



この映画では「犯罪予防により殺人事件が起きなくなった」近未来を描いているわけですが、

これが字面通り喜ばしいのかと言うと…必ずしもそうは見えないのもポイントでしょう。

もちろん殺人事件なんて無い方が良いのは言うまでもありませんが、

でもどことなく…ユートピアというよりはディストピアに近い、監視社会の進行した姿が薄気味悪くて、

その世界観の秀逸さも色褪せていません。

これもまたオープニングの近未来感同様、公開当時よりも現代が近づいていっている部分がそこかしこにあって、

それがまたゾクゾクするほど気分が悪いんですよね。そう見せようとはしてないだけに余計に。

さすがに網膜センサーで常に個人特定はやり過ぎだと思いますが、でも閲覧者を特定してオススメ商品を提示、

なんてもうネットでは当たり前なだけに、ちょっとこの世界そのものが他人事ではないような部分があって、そこがね。

絶妙に気持ち悪いんですよ。(創作としては)いい意味で。

公開当時よりもリアリティを帯びてきているディストピア感が。



そういう意味では、公開当時よりも逆に今、もう一度観直す価値のある珍しいSF映画ではないでしょうか。

素直にこういう先見の明ってすごいなーと感心しきり。

サスペンスとしても古くなってないし、世界観もしっかりリアルと繋がったものになってるしで、

改めて観ても心配無用な面白さでした。

未見はもちろん、再鑑賞も強くオススメ。



【このシーンがいいぜ!】

やっぱりオープニングに見せられる一連の「犯罪予防はこういうものですよ」っていう流れは今観てもすごく良いですね。

玉に名前が彫られて出て来るデジアナ混合具合も最高。

木の玉っていうのがまたいいんですよね。ウッドボールですよウッドボール。ウッボー。きまり。



【ココが○】

これだけ世界観とサスペンスが両立しているSFサスペンスはなかなか他に思いつきません。

スピルバーグ×トム・クルーズというドメジャーが故に軽んじられる部分がある気はしますが、なんのなんの名作ですよ。



【ココが×】

ところどころにスピルバーグらしい“過剰サービス”があったのは気になったところ。

時代的なものもあるのかもしれませんが、今であればもっとクールにやり過ごしちゃって良いような部分がちらほら。

スパイダーの描写の仕方とか、腐った食事とか。



【MVA】

この頃売り出し中、って時期でしょうか、コリン・ファレルがなかなか良かった。

トムクルさんは相変わらず、奥さんのキャスリン・モリスも良かったしアガサのサマンサ・モートンも良かったんですが、

ちょっと強烈だったのでこの人に。



ピーター・ストーメア(エディ・ソロモン医師役)



キョーレツなお医者さん。

出番は1パートのみなんですが、強烈なんですよほんと。

地味にいい男だしね。なんなんですかね。

こういう脇役さんは本当に大事だと思うので、いい仕事してやがるぜと思います。




映画レビュー672 『メッセージ』


ビジュアル公開の時点で「面白そうだぞ!」と思っていたので、公開直後の週末となる昨日、早速観てまいりました。

例の宇宙船がばかうけにそっくりだと話題になり、監督も「ばかうけを参考にした」とカミングアウトした曰く付きの作品です。

※もちろんネタ的に



メッセージ
Arrival
監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本エリック・ハイセラー
原作テッド・チャン
『あなたの人生の物語』
出演エイミー・アダムス
ジェレミー・レナー
フォレスト・ウィテカー
マイケル・スタールバーグ
ツィ・マー
音楽ヨハン・ヨハンソン
製作国アメリカ
公開2017年5月19日 アメリカ
上映時間116分
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【あらすじ】

世界各地、12か所に突如来訪した謎の宇宙船。

降り立っただけで特に動きが見えない彼らの真意を探るため、著名な言語学者のルイーズと物理学者のイアンが招集され、

直接コンタクトを試みる。



【総評】★★★★★★★★☆(★9)


知的SFの傑作! だけど気になるところも…。


ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督によるSFサスペンスドラマ。

前作「ボーダーライン」がとてつもなく面白かったので大変期待しておりました。

どうでもいいですがフランス料理にありそうな名前ですね。監督。鴨肉のドゥニ・ヴィルヌーヴ煮みたいな。

主演はエイミー・アダムス、共演にジェレミー・レナーとフォレスト・ウィテカーその他。

「24」のチェン・ズィーでおなじみのツィ・マーも重要な役割で登場。中国のお偉いさんと言えばこの人的な印象があります。



突如として地球に降り立ったばかうけ風のルックスを持つ宇宙船。

その数は世界各地で12か所確認され、当然ながら世界中が大パニックになります。ちなみに日本では北海道にコンニチハ。

彼らは特に攻撃するような素振りも見せず、ただそこに降り立っただけで目的がよくわかりません。

ただ、地球側も彼らと早々にコンタクトを取ることができたようで、こちらの問いかけになんらかのリアクションが見られる模様。

しかしその発している言葉の意味がわからない…ということで呼び出されたのが、

主人公の言語学者、エイミー・アダムス演じるルイーズと、ジェレミー・レナー演じる物理学者のイアン。



どうも気圧の関係とかで宇宙船が「入ってきていいよ」と扉を開くのは18時間に1度ということで、

その都度二人は他のスタッフとともに内部に入ってコンタクトを取り、

持ち帰ったその時の情報を解析してまた次のコンタクトに臨む、という日々を繰り返すことになります。

細かな描写はありませんがその他の11か所でも同じような試みが行われている模様で、

その情報を各国がテレビ会議に持ち寄ってエイリアンたちの真意を探るという物語になっています。

その中心人物として鍵を握るのがルイーズで、

彼女は早々に「発している言葉は理解が難しいから文字でコンタクトを取ってみよう」と思いたち、

これがうまく行って徐々に彼らの言語を理解し始め、双方でコミュニケーションを取り始めますが、

一方で世界は過激な対策の方に傾き始め、時間がなくなっていく中、

果たしてルイーズは彼らの真意を知ることができるのか…というややサスペンスタッチのSFドラマになっています。



オープニングはルイーズの出産、そしてその娘との死別のシーンから始まります。びっくり。

これが都合1~2分でサクサク展開するという。その前の一番最初に流れる各企業のロゴの方が長かったんじゃねーの疑惑アリ。

で、劇中ルイーズが寝ているときや疲れている時、ふっとその娘とルイーズとのやり取りがフラッシュバックのように挟まり、

このシーンの意味するところは何なのか…と対峙するエイリアンとは別口で謎が膨らみ、

徐々に進んでいくエイリアンとのコンタクトと相乗効果でグイグイ物語に惹き込んでくれるうまい観せ方。

少しずつ彼ら(エイリアン)と筆談のような形でコミュニケーションが取れるようになり、

どうやら彼らは敵対するような悪い存在では無さそうだぞ…と思っても、不安からか攻撃的になっていく世界。

この辺がリアルですね。すごくありそう。

なんならこの劇中の世界はまだ冷静だった気がする。

今現実にこういう事件があったら、いの一番に攻撃をしかけそうなのがアメリカの大統領にいる、っていうのがなんとも…ですが。



あんまり書いちゃうと興を削ぐので内容についてはこの辺にして、まず映画として、見せ方としては…ほぼ文句なかったですね。

もう途中の知的好奇心をそそる謎の導き方、じわじわ迫るタイムリミットへの不安、そしてそれらを絶妙な“暗さ”で煽る演出力、

どこをとっても一級品だったと思います。

そう、「暗さ」が良いんですよ。いかにも良くないことが起こりそうで。

フラッシュバックするルイーズの過去も、最終的には若くして娘が死んでしまうところまで最初に見せているので、

娘とのシーンそのものにどことなく悲哀が感じられるのも不安にさせてくれて良い。

もうよからぬ展開しか想像できない、その不安感の植え付け方が素晴らしくてですね。

たまんねーなと思いながら観てました。リアルSFサスペンスの傑作と言っていいでしょう。

序盤に示唆される通り、“時間”の概念も重大な意味を持つSFなだけに、

少し「インターステラー」っぽさも感じられるハードな知的SF感が最高でした。

こういう骨太SFが好きな人はハマるんじゃないかなぁ。

序盤の「コンタクトを取るまで」が結構じっくり間を取って展開することもあって、

途中までは「面白いけど二度三度観たいぞ、って感じの話じゃなさそうだな」と思って観ていましたが、

最終的にはいろいろ「この疑問は解決したけど別の疑問が残る」ようなお話になっていたので、

こりゃーまた観ないとダメだなと思ったり。

とにかくじわじわと答えに迫っていく緊張感と、一気に明らかにされていくルイーズの母娘の話の展開力がたまらなく、

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督はやっぱりすげーな、と改めて感じました。

根っこの部分で物語を見せる力がスゴイ。こりゃーブレードランナーの続編もやっぱり期待できそうですね。



…と、かなり満足してはいたんですが、ただ。

最終的にいろいろと「結局それならアレなんじゃないか?」みたいな腑に落ちない感じもいくつかあり、

最後の最後でもう少しビタッと説得力を持たせる展開が欲しかったのも確か。

ラスト20分ぐらいまでは「これ★10あるな…!」と思ってたんですが、最後はやや失速という印象です。

この辺は当然ながらネタバレになっちゃうので書けないんですが。



そんなわけで、後々振り返ってみるといろいろ気になる部分は出てくるので、

人によっては「はー? そういう話かよ」で全然つまらなかった、って感じでもおかしくない気もします。

ただ、見せ方と展開力のうまさで大変楽しませてもらえたので、僕は満足致しました。

他の人のレビューを読むのが楽しみな類の映画だと思います。

「謎を見せて惹きつける」という部分では相当にレベルの高いSFではないでしょうか。

頭ぐるぐる回しながら観る感じなので、万人にオススメできるような映画ではないと思いますが、

頭を使うSFが好きだ、っていう方はぜひ。

ただ、頭を使うと腑に落ちない部分が出てくる、というのがまたもどかしいところではあります。



【このシーンがいいぜ!】

初めて「ばかうけ」が全体像を表すシーン、空撮なんですが…前線のキャンプみたいなところの映像がすごく印象的で、

ミニチュア感すごいんだけどミニチュアじゃなさそうだぞ、みたいな。

あれああいう風に撮れるカメラがあるのかなー。すごく印象的でした。



それとオープニングから何度か登場する、天井から徐々にカメラを下ろして全景が映る撮り方もすごく印象的でした。

画作りが美しい。



ただ一番印象に残ったのは、娘の描いた絵が大写しになったシーン。ゾワッとものすごく鳥肌立った。

「うおおおそういうことか!」って。



【ココが○】

映画として全体的にレベルが高いのは間違いないです。

宇宙人来訪、っていうもう散々描かれたテーマながら、ここまで重厚に新しい物語を作ったのはスゴイ。

重厚とは言え嫌な気分にさせられるような感じはまったくなく、気持ちよく不安感を育ててくれる作りがとても良かったです。



その重厚さと不安感をうまく色付ける劇伴もとても良かったですね。

映画の内容的に考えても、音楽担当がヨハン・ヨハンソンっていうのもポイント高い。気がする。

名前がね。アレなので。



【ココが×】

「言語」を最も重要なポジションに置いた映画ながら、かなり重要な場面で軽く扱っている部分があり、

そこが結構気になりました。そこ軽く済ませちゃうんだ、っていう。それが2か所。

あとは…ネタバレになるので詳しくは書けませんが、

やっぱり最終的に「こういう話だったんだよね?」と結論付けると

結局小さい話にまとまっていっちゃうような部分があり、そこがどうしても気になる。



【MVA】

もう珍しいぐらいに明確に主役が引っ張る映画だったと思います。

なので完全にこの人の映画。



エイミー・アダムス(ルイーズ・バンクス博士役)



「ボーダーライン」のエミリー・ブラントもそうでしたが、やっぱりこの監督は女性をかっこよく描くのがうまいのかもしれない。

エイミー・アダムスはこういう知的な役が似合うようになってきましたねー。すごく良かったです。

文句なし。



それと余談ですが、なんとなく今回フォレスト・ウィテカーが「いつものいい人」からちょっと違うポジションに

ようやく違和感なくハマった気がして、そこもまた良かったと思います。




映画レビュー671 『星の旅人たち』


私事ですがちょっと嫌な出来事があり、久々に家で酒を煽って「癒やされたい! 癒される映画が観たい!!」と思って

選んだのがこちらの映画になります。



星の旅人たち
The Way
監督エミリオ・エステベス
脚本エミリオ・エステベス
原案エミリオ・エステベス
ジャック・ヒット
出演マーティン・シーン
デボラ・カーラ・アンガー
ジェームズ・ネスビット
ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン
エミリオ・エステベス
音楽タイラー・ベイツ
製作国アメリカ・スペイン
公開2010年11月19日 スペイン
上映時間129分
星の旅人たち












【あらすじ】

カリフォルニアの眼科医・トムは、自分探しの旅に出た息子・ダニエルが

聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅の途中、嵐で命を落としたという連絡を受ける。

フランスへ飛び、現地で息子本人であることを確認したトムは、息子が辿るはずだった巡礼の旅に出ることにした。



【総評】★★★★★★★★★☆(★9)


景色と出会いと別れ、これぞロードムービー。


そういうわけでややメンタルがやられていたこともあり、若干上げ底の評価になっていることは否めません。

が、とてもよかった。

もういちいち景色が良いんですよ。染みるの。雄大で。

まさに観たかった映画だな、癒し系だなとずっとうるうるしながら観てました。



自分探しの旅に出た40歳の息子・ダニエルが事故死したために、そのあとを継ぐようにして父・トムが代わりに

何百キロにも及ぶ徒歩での巡礼の旅に出るお話。

当然ながら同じ目的の巡礼者もたくさんいるルートなので、歩きながらの出会いもあるし、泊まる宿での出会いもあります。

詳細は出てきませんが、おそらくは何ヶ月かに及ぶ旅になっているんでしょう、結構ハードな旅のご様子。

日本で言うと、規模的なものはわかりませんが「四国お遍路の旅」的なイメージでしょうか。

何せ巡礼なのでやや宗教色のある行為ではあるんですが、むしろ今はそういった信仰心から旅をする人は少ないそうで、

一種のレクリエーションでもあり、自己鍛錬でもあり、その他モロモロでもあり。

こういう旅してみたいなぁ…としみじみ思う反面、自分には完遂できなさそうな気もするぐらいには大変そう。

鑑賞後に調べたところ、この「聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路」というのは世界遺産にも登録されているようで、

なるほど確かにどこもかしこも風光明媚でとても素晴らしい景色が堪能できます。

ちなみに以前観た「サン・ジャックへの道」もこの巡礼路が舞台の映画のようですが、内容ほとんど覚えてませんごめんね。

今観たらまた違う感想を抱くに違いない。そうに違いない。



トムは亡くなった息子・ダニエルの遺灰をところどころに撒きながら、彼と“ともに”巡礼の旅を続けます。

そこでやはり何人か、何度か顔を見合わせるような人が出てきて、やがて仲間となって一緒に旅をする…んですが、

トムはやや気難しい人なので、素っ気なく群れようとしないし、トラブルに巻き込まれたりもしていろいろ大変。

それでもやはり大変な巡礼の旅、徐々に助け助けられを繰り返しながら、目的の地を目指して歩き続ける面々。

ただそれを見守るだけの映画です。



メンバーには一応女性もいるものの、彼女ももうそこそこ年齢を重ねた人だし、

ある意味では誰もが人生のルートが見えてしまっているような人たち。

そこで少し非日常に自分の身を置いて、改めて自分とその人生を見つめ直すという旅なわけですが、

もはや若くもないだけに希望に満ちているわけではない、フツーの人たちの出会いと別れっていうのは…

やっぱり自分の身にも重なるわけで、いろいろと観ていて感じるものはありました。

特にこの映画に価値観がどうとか半生を振り返ってどうとかそういうメッセージ性はないんですが、

ただなんとなく、今このままの状態で自分もこの場所に身を置いたら…と考えながら観ていると、

なんとなーく少しずつ自分の考えがまた変わっていくような感覚がありました。

この押し付けがましくもなく、優しく見守りながらも自分を振り返る時間をくれる感じ、とても好きです。

観たタイミングが最適だったというのもあるんでしょうが、すごくじわじわと身体に染みてくる感覚があって、

やっぱり映画はいいよなぁとしみじみ思いました。



主演はマーティン・シーン、監督及び息子役がエミリオ・エステベス。

この二人似てるなーと思ったら実際に親子だそうで。

エミリオ・エステベスの名前は知ってたけど、まさかマーティン・シーンの息子だったとは…。

チンコ野郎故に大変なことになったもう一人の息子、チャーリー・シーンには作れない映画でしょうね。

なかなか素晴らしいお仕事をしたと思います。エミリオ・エステベス。

疲れちゃった時にぜひ観てみてください。



【このシーンがいいぜ!】

これはねー、歌がかかる場面はどれも珠玉でしたね。

とても素晴らしかったです。序盤の猫がチラッと映るワンシーンとか。

ホテルでの一夜もとても良かった。



【ココが○】

その歌の場面も含まれますが、とにかくとにかく劇伴がとても良い。

すごくシーンにマッチした、郷愁を誘うしんみり感マックスな劇伴の数々がもう…。

音楽による底上げがハンパないと思います。この映画。



【ココが×】

こういう映画はもうターゲットからして中高年なので仕方ないところですが、

若い人にはどこまで良さがわかるのか…ちょっと不安な気はします。

ある程度人生を「振り返れる時間の蓄積」が無いと、行間を読むような部分が難しいかもしれないなと。



【MVA】

んー、まあみんな良かったけど…順当にこの人かなぁ。



マーティン・シーン(トム・エイヴリー役)



主人公のオッサン…というかもう爺さんの域なのか…。

最初に出てきた時に「おお! マーティン・シーンか!?」と喜んだんですが、

やっぱりこの人は「地獄の黙示録」のイメージなので、その彼も歳を取ってこういうお話に合う人になったのか…

と思うとまたいろいろと感じるところがあるわけです。

昔から知っている役者さんが「歳を取りましたよ」って役をやってると、もうそれだけでちょっとグッと来ちゃいますね…。



多分病気ですね。




映画レビュー670 『2ガンズ』


この前、まったく知らない、関わったことのない映画好きの方のツイッターのコメントをたまたま拝見しました。



「たまに『年間200本映画館で観てます』って自慢する方がいますがそれ映画好きなら当たり前ですから」



他人をディスりつつ行間で自分の自慢に転換しているというなかなか高度なテクニックに白目を剥きましたが、

となると彼からすれば、目標は年間100本、しかも大半を自宅で観る僕なんてのは映画好きなんて言っちゃいけない、

ただの「映画観てるだけチンコ野郎だ」てなところでしょうか。



が、世界のネット界で最もヒット数が少ない部類に入るこのブログで小さく吠えておきますが、

本数勘定って実はあんまり意味がないと思うんですよね。僕は。大して観てないやつが言うのも何ですが。

もちろん多く観てる人はすごいし羨ましいとも思いますが、以前自分も(たった年間150本弱で)経験したように、

本数を稼ぐことが目的化してくると見方が疎かになるし、「この映画が観たいぞ!」っていうモチベーションがあまり無いまま

観ても大して入ってこないしで、「俺なんのためにこんな時間作って観てんだろ」って悩んじゃうわけですよ。

もちろん人にもよるんでしょうが。

つまりそれはイコールその人に合った許容量、鑑賞ペースみたいなものがあるということなので、

人と比べて多い少ない言うのって意味ないんじゃないの、と思うわけです。



それにさすがに劇場200本ともなると、仕事面その他の制約をモロに受けるじゃないですか。

残業時間に通勤時間に劇場と自宅の位置関係に予算に…と超えるべきハードルがいろいろありすぎるので、

一概に「(劇場で)●●本以上観てないやつは映画語るな」みたいなのはダメなんじゃないかなーと思ったんですよね。ふと。

もちろんその方が「語るな」なんて言ってたわけじゃないんですが、

なんとなく言外に「そういうやつはまだ甘いから」感が漂ってたので。



それとハッキリ言って、視野が狭いとか情報収集が甘いとか好みが偏ってるとかいろいろご批判も承知の上で言えば、

上記条件全部クリアしたところで年間200本も観たいと思える映画って劇場でやってないんですよね。

少なくともうちの近くの、いわゆるシネコンと呼ばれるところでは。

となると、ミニシアターも近くに無いとまず難しいと思うので、また条件はかなり限られてきちゃうし、

そもそも「興味はないけど本数稼ぎのために劇場に行く」なんて本末転倒も甚だしいし。

だからこそ僕は古い映画も観るし、観たいわけですが。



ということで、これはまあ半分愚痴ではありますけども、例えば「自分は年間20本ぐらいしか観ないけど…」って人でも、

「映画好き! 面白い映画知りたい!!」って思ってるならもう大歓迎で映画好きとして同じ仲間でいいじゃないか、

って思うわけです。僕は。大いに語りましょうよ。

なんとなく「映画好き」ってオタク系趣味と比べると上に置いてる人がいる気がして、

同じ映画好きとしてちょっと嫌な気がしたりして。

自分への戒めも込みで書きますが、映画好きは勘違いしてマウント取りがちな似非インテリみたいな人が多い気もするので、

視野狭めないで仲良くしたらいいじゃん、とふと思ったわけです。

長々書きましたが、ただそれだけです。

なので、「1年間ブログ更新してません」とか言う人も気にせずまた観た時にレビュー書けば良いと思います。

オメーだよオメー。←



さて、前フリ長くなりましたが、今回もこれまたネトフリ配信終了間際ということでチョイス。

ナイスガイズ!」が面白かった余韻で似たような感じかなーと観てみましたが…。



2ガンズ
2 Guns
監督バルタザル・コルマキュル
脚本ブレイク・マスターズ
原作スティーブン・グラント
出演デンゼル・ワシントン
マーク・ウォールバーグ
ポーラ・パットン
ジェームズ・マースデン
ビル・パクストン
エドワード・ジェームズ・オルモス
フレッド・ウォード
音楽クリントン・ショーター
製作国アメリカ
公開2013年8月2日 アメリカ
上映時間109分
2ガンズ












【あらすじ】

DEA(麻薬取締局)の捜査官ボビーと海軍の捜査官スティグは、お互いの素性を隠して“ワル仲間”として

メキシコの麻薬王・パピの資金を盗もうと銀行強盗に入り、成功。

しかし金庫に入っていたのは、想定していた300万ドルを遥かに超える4300万ドル以上もの大金であり、

さらに盗んだ直後から知らない連中に追われ始める。



【総評】★★★★★★☆☆☆☆(★6)


謎が深まる間は面白かったのに、後半息切れ結局ドンパチ。


まあね、タイトルが「2ガンズ」ですからね。

最終的にドンパチじゃねーかよ! って文句を言うのも筋違いだとは思うんですが。

でもなー、途中まではすごく良かったんですよ。

軽いコメディタッチのバディものかと思ってダラダラ観てたんですが、

意外と謎が謎を呼び的な展開に「これは面白いんじゃないか…!」と盛り上がってきてたんですが。

結局「そんなに謎でもないよ(はぁと)」って感じで収束し、最終的にはやっぱりただの“コメディタッチのバディもの”でした。



デンゼル・ワシントン演じる主人公のボビーはDEA(麻薬取締局)の捜査官で、

メキシコの麻薬王パピに対する潜入捜査を仕掛けている状況。

彼の相方は銃の名手で海軍に属するマーク・ウォルバーグ演じるスティグ。

ただ、お互いが自分の素性を隠して「ただのワルだぜ」的に振る舞っているので、

それぞれが目的があって悪行を働いていることを知りません。

どっちも自分の任務のためには相手を切り捨てるつもりで“ニセの友情”を演じていて、

そこがまず面白いなーと思って観てましたが、しかし強盗に入った銀行に「あるはずのない金」があったことで事態は急変。

これは誰の金なのか、うまくやったつもりが失敗したっぽい二人の強盗の先には大きな陰謀が渦巻いてるのでは…

ってな感じで深まる謎と、二人のそれぞれの組織内での立場も変わっていきつつ、はてさてどう決着するのか、というお話。



DEAに海軍、そしてCIAに麻薬王とアメリカにおけるコッテコテな組織が絡み合っての物語ではあるんですが、

筋としてはなかなか他にない感じのストーリーだった気がします。ヒロインの使い方も面白かったし。

本当に中盤までは結構新鮮に、ワクワクしながら観られました。

ただ…後半息切れ、なんでしょうか。

結局力でねじ伏せる形で「サイコーだぜ!」的に終わるので、うーんもったいないな、と…。



思うに、やっぱりちょっとフリが少ないかな? という気はしました。

いろいろと謎はあるものの、伏線があんまりないので「おお、あれが」みたいな驚きもなく、

結局トータルで観ると平坦なアクション映画の域を出てないかな、と。

それと、いわゆる悪役ポジションの2つの組織の動きがちょっと現実的じゃないな、という違和感もありました。

いくらなんでも…あの辺の組織だったらあんなに好き勝手にやらないでしょうよ、っていう。



ただこの手のバディものにしてはそれなりにしっかりとストーリーを膨らませてはいるので、

こういう映画が好きな人には結構楽しめる映画かもしれない、とも思います。

デンゼル・ワシントンとマーク・ウォルバーグっていう組み合わせもなかなか珍しい気がするし。



あとはもう…特に書くこともないという。

最初のどうでもいい話のほうが長いということで今回はおしまいでございます。

バディものが好きだったら観てね!(適当な幕引き



【このシーンがいいぜ!】

特にこれ、っていうのはなかったんですが…ただ「クリムゾン・タイド」とかの印象が強いせいか、

デンゼル・ワシントンの海軍制服姿、やっぱり似合いますねー。

あの衣装のときはなんか盛り上がりました。なんか。



【ココが○】

それなりに差別化を図ろうとしているストーリーはなかなかいいと思います。



【ココが×】

そのストーリー、もう一歩詰めればかなり面白くなりそうなだけに…惜しい。

お決まりの良さもあるんでしょうが、こう既視感のある内容だと…続編も無さそう。



【MVA】

主演二人も良かったですが、今回はこちらの方に。



ポーラ・パットン(デビー役)



ボビーの元カノでDEA同僚。

が、ただのヒロインではないのが良かった。あとおっぱい出し惜しみしないところと。

なんせ「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」にも出てた人ですからね。

デジャヴにも出ててデンゼル・ワシントンと共演してましたが記憶にありませんでしたすみませんでした)

それなりのネームバリューがありつつもおっぱいは出すぜ、という心意気。素晴らしいです。





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